授乳・離乳の支援ガイドが改定されました/若林由香里
今まで離乳食の指導や情報提供などは、平成7年に出された「改定 離乳の基本」に基づいて行われてきました。あれから10年経ち、母子の取り巻く環境や食生活は大き変わってきました。
そして、「平成17年度乳幼児栄養調査結果」などを踏まえ、「授乳・離乳の支援ガイド」が策定されました。ガイドには前回の「改定 離乳食の基本」には記載がなかった、授乳の支援について追加され、妊娠から出産、育児までの支援にかかわる保健医療従事者が基本的事項を共有し、一貫した支援ができるようになりました。
地域の医療機関(産科や小児科)、保健所、保健センター、保育所等の地域全体で情報を共有し、妊娠から離乳完了期までの支援を行う仕組み作りが始まっています。
2019年6月12日
そして、「平成17年度乳幼児栄養調査結果」などを踏まえ、「授乳・離乳の支援ガイド」が策定されました。ガイドには前回の「改定 離乳食の基本」には記載がなかった、授乳の支援について追加され、妊娠から出産、育児までの支援にかかわる保健医療従事者が基本的事項を共有し、一貫した支援ができるようになりました。
授乳・離乳の支援ガイド改定の4つのポイント
①授乳、離乳を取り巻く最新の科学的知見等を踏まえた適切な支援の充実
母乳育児には、産後の母体の回復を助ける、乳児の肥満や2型糖尿病の発症リスクの低下、感染症リスクの軽減などの利点があります。子どものアレルギー予防のために、授乳中の母親が特定の食品を避けたり、過剰に摂取することの効果はありません。災害時の乳幼児の栄養確保と保護のため、乳児用液体ミルクの製造販売が可能になり、手引きの作成や配布がされています。
②授乳開始から授乳リズムの確立時期の支援内容の充実
子どもの授乳リズムや睡眠のリズムが整うのは個人差があります。産後は慣れない育児と授乳により、心身に不調が起こることが想定されます。母親の不安に寄り添い、授乳リズムを確立できるような支援があるので、つらい時は相談しましょう。
③食物アレルギー予防に関する支援の充実
3歳時点におけるアレルギー有病率は増加傾向にありますが、食物アレルギーの発症を心配して、離乳食の開始や特定の食物の摂取時期を遅らせても予防効果があるという科学的根拠はありません。アレルギーが疑われた時は、病院を受診して医師の指導に基づいて対応しましょう。
④妊娠期からの授乳・離乳等に関する情報提供の在り方
妊婦健康診査や両親学級、3~4か月健康診査等の母子保健事業を活用し、授乳方法や離乳開始時期等、妊娠から離乳完了までの各時期に必要な情報を発信、提供をしています。
地域全体で支援する取り組みは始まっています
地域の医療機関(産科や小児科)、保健所、保健センター、保育所等の地域全体で情報を共有し、妊娠から離乳完了期までの支援を行う仕組み作りが始まっています。
少子化や核家族という環境、インターネットや本などの情報過多な中で生じる不安や悩みに対し、サポートしてくれるところはたくさんあります。抱え込まずに、様々な機関を利用しましょう。
次回は授乳・離乳の支援ガイド 授乳編になります。
担当管理栄養士:若林由香里
次回は授乳・離乳の支援ガイド 授乳編になります。
担当管理栄養士:若林由香里
参考文献
・授乳・離乳の支援ガイド 2019.515
若林由香里執筆コラム
●残留農薬を減らすコツ
●残留農薬を減らすコツ