梅雨の湿気からくるダルさを食事で防ぐ方法/相川朋世
梅雨に入り、ジメジメして暑い毎日が続いています。
日本の夏は、梅雨が明けても湿気は続き、暑さと湿気に耐える日々が続きます。また、屋外は暑く、室内は寒いというように、体温の調節がうまくいかない、暑さから食欲がなくなり十分な栄養を摂取できないなど、身体の調子を崩しやすい時期でもあります。
黒豆・小豆・緑豆・レタス・アスパラ・胡瓜・冬瓜・とうもろこし・トウモロコシのヒゲ・ハトムギ・セロリ・あさり・しじみ・海藻類・ココナッツ・すいか・すももなど
紫蘇・ピーマン・たまねぎ・大蒜の芽・柑橘類・陳皮
ハトムギ・黒豆などの豆類・サツマイモ・じゃがいも・生姜・タピオカ・山芋・トマト・オクラ・ナツメ・アジ・かつおなど
旬の夏野菜はおススメですが、身体を冷やしすぎてしまうので気を付けましょう。また、甘い食べ物は胃腸の調子を整える働きがありますが、冷えと甘味が強いと脾は傷つきやすくなってしまいます。身体の熱を冷まし、余分な熱をとる豆類はおススメのため、積極的に摂るとよいでしょう。
<作り方>
2019年6月19日
日本の夏は、梅雨が明けても湿気は続き、暑さと湿気に耐える日々が続きます。また、屋外は暑く、室内は寒いというように、体温の調節がうまくいかない、暑さから食欲がなくなり十分な栄養を摂取できないなど、身体の調子を崩しやすい時期でもあります。
そこでおススメなのが、食生活に“薬膳”を取り入れてダルさを予防する方法です。薬膳とは、季節や体調に合わせて身体のバランスを整えること。
この時期に合った食材を知って、ジメジメとした暑い夏を乗り切りましょう。
この時期に合った食材を知って、ジメジメとした暑い夏を乗り切りましょう。
梅雨の不調は“湿邪”が原因
梅雨は五行学説でいうと“土”の季節です。土には「生み出す」「受容する」などの性質を持つといわれ、下記の表のようなつながりを持つと考えられています。
土 | 長夏 (梅雨) |
湿 | 黄 | 甘 | 脾 (消化器官) |
思 | 口 |
この繋がりは、梅雨には消化器官が湿気で傷つけられやすく、消化器系が弱ると湿気を追い出しにくくなり、食欲減退やだるさ、むくみなどの症状が出てくる。また、思い悩みやすくなり、さらに消化器官を傷めてしまう、と読み取ることができます。
中医学でいう脾とは「消化吸収に関わる消化器官」を表します。梅雨の不調は身体にたまった水分=湿が原因と考えられますが、この“湿”は消化器官の働きを弱めてしまいます。
梅雨の時期の食事に取り入れたい食材
梅雨や夏には、作るのも億劫になり冷たいそうめんなどの麺類、お惣菜やお弁当などで簡単に済ませてしまうことも多くなると思います。また、冷たい飲み物やアイスなどを食べてお腹を壊してしまうこともあるのではないでしょうか?
この時期、意識してほしい食材は、以下のものです。
身体の余分な水分を追い出す「利水・?湿」の効能を持つ食材
黒豆・小豆・緑豆・レタス・アスパラ・胡瓜・冬瓜・とうもろこし・トウモロコシのヒゲ・ハトムギ・セロリ・あさり・しじみ・海藻類・ココナッツ・すいか・すももなど
身体の巡りをよくする食材
紫蘇・ピーマン・たまねぎ・大蒜の芽・柑橘類・陳皮
脾の調子を整える食材
ハトムギ・黒豆などの豆類・サツマイモ・じゃがいも・生姜・タピオカ・山芋・トマト・オクラ・ナツメ・アジ・かつおなど
旬の夏野菜はおススメですが、身体を冷やしすぎてしまうので気を付けましょう。また、甘い食べ物は胃腸の調子を整える働きがありますが、冷えと甘味が強いと脾は傷つきやすくなってしまいます。身体の熱を冷まし、余分な熱をとる豆類はおススメのため、積極的に摂るとよいでしょう。
梅雨の湿気を防ぐおすすめレシピ「トウモロコシと枝豆のハト麦ごはん」
- 精白米…2合
- ハトムギ…大さじ3杯
- 冷凍コーン…100g
- 冷凍枝豆…100g
- 白だし…50ml
<作り方>
- 精白米とハトムギをよく洗い、2合分の水にさらに50g水を加え、水に漬けておく。
- ほかの材料と白だしを加え、通常通りに炊き上げる。
- 炊きあがったら、よくかき混ぜて出来上がり。
暑い夏を乗り切る前に、まずは梅雨を元気に過ごすように食事を工夫してみましょう。梅雨の時期に体調を壊すと、夏の暑さを乗り越えることが難しくなります。これからの食生活の見直しをするきっかけに、パーソナル管理栄養士にご相談ください。
担当管理栄養士:相川朋世
担当管理栄養士:相川朋世
参考文献
- 日本中医食養学会「現代の食卓に生かす「食物性味表」改定2版」(株)平河工業社(2014)
- 伊藤隆、他「ココロとカラダの不調を改善する やさしい東洋医学」株式会社ナツメ社(2016)
相川朋世執筆コラム