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今回は、もうすぐやってくる夏の肌の悩みで多い、日焼けによるシミについて。「美白にはビタミンCが良い」と聞きますが、どうしてなのかを解説します。

 

ビタミンCは、もともと壊血病予防因子として発見された栄養素です。壊血病とは毛細血管の結合組織が弱くなり、出血などを誘発する病気です。そのことから、ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必要な栄養素とわかってきました。コラーゲンとは繊維状のたんぱく質で、網目状に張り巡らされています。

ビタミンCが欠乏すると、コラーゲン合成ができないので、肌のハリが失われてしまいます。また、ビタミンCは、のちに抗酸化作用があることも発見され、肌荒れや老化を予防する働きがあることがわかってきました。

 

シミは、紫外線によってできるメラニン色素によって起き、紫外線を吸収する役割を持っています。

紫外線は細胞のDNAにとって有害なものです。紫外線を肌の奥に届かないように守る役目があるわけですから、メラニン色素の生産は、人間にとって必要なものなのです。ですから、既にできてしまったシミが、ビタミンC摂取により薄くなることは難しいと考えてよいでしょう。
 

しかし、ビタミンCには抗酸化力があり、紫外線に対する抵抗力をつけるには役立ちます。紫外線によって発生した活性酵素をとり除き、皮膚を守ってくれるのです。ビタミンC摂取は、これからできるシミの予防に効果があります。

 

1日のビタミンCの食事摂取基準量は、成人男女とも100mgです。ビタミンを手軽に摂るのにサプリメントは便利ですが、健康な人がビタミンCを過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加します。

ビタミンCの摂取量と血中濃度、対外排出を検討した研究から総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、1日1g以上を摂取する意味はないことが示されています。本当の美肌のためには、容易にサプリメントなどに頼らず、食生活を見直しましょう。
 

ビタミンCと言えば果物、と考えがちですが、野菜にも多く含まれています。
主な野菜のビタミンC含有量は、ゴーヤ1/2本で約65mg、ピーマン2個で約50mg、キャベツの葉1枚(50g)で約40mgです。野菜を食べることにより食物繊維も摂取することになり、腸内環境改善にも繋がりますので、普段の食事に積極的に取り入れましょう。

 

ビタミンCの効能は、肌だけではありません。ビタミンCから作られるコラーゲンは筋肉や骨、血管や内臓などいたるところに存在します。コラーゲンが緻密につくられることにより、結合組織がしっかりとしてきます。肌だけでなく、しなやかな体づくりにも効果が期待できます。ビタミンC摂取で、外面も内面も魅力的な女性になりましょう。

担当管理栄養士：白井由紀
 

 

白井由紀執筆コラム