管理栄養士が実践する40代からのアンチエイジング/木村みえこ
今年もようやく暑い夏が終わろうとしていますね。とはいえ、まだまだ厳しい残暑の日々が続きそうですので夏バテには注意が必要です。
2019年8月28日
特に年齢を重ねると、「思うように体調管理ができなくなってきた。」なんていうことも増えてくるのではないでしょうか。40代以降は20代や30代のころとは違い、夏バテだけでなくメタボをはじめとする体の衰えも気になるところ。
そこで今回は、無理なくできる40代以降のアンチエイジングについてお話します。
アンチエイジングとは
anti(アンチ)は「抗う」「反対する」、aging(エイジング)は「加齢」「老化」を意味するのですが、一般的にアンチエイジングというと「肌を美しく保つ」という美容のイメージが強いのではないでしょうか。
もちろん年齢を重ねると肌のたるみやしわ、シミ、白髪や抜け毛といった美容のことも気になりますので、アラフォー、アラフィフ世代には大きな関心事です。
しかしそれだけでなく、40代以降は体の不調が起こりやすい年代であり5年後、10年後、20年後の自分の生活のことを意識し始めるころでもあります。
「血管を若く保ちたい」「視力の低下や目のかすみを改善したい」「加齢による腰や膝の痛みをやわらげたい」「いくつになっても自分のことは自分でできるように元気でいたい。」など、年齢を重ねてもできるだけ快適な生活を送りたいと考えるのではないでしょうか。
そのために、食事や運動、睡眠などで老化を遅らせようとするのがアンチエイジングです。
「がんばる」ことをやめてみよう
例えば、「太るからカロリーをとりすぎないようしなければいけない。」とか「体に悪いから揚げ物やお菓子は食べないようしなければいけない。」とか「健康になるために運動をがんばらなければいけない。」など。
「してはいけない」ことや「しなければいけない」ことが増えると、できなかったときに罪悪感から自分を責めたり、落ち込んだりすることでストレスがたまってしまいます。
それよりも、自分が無理なく続けられることを日常に取り入れるほうが効果的です。
健康のために「毎日ウォーキングに出かける。」「ジムに行ってがんばろう。」という気持ちはあるけどなかなか続かない。
そんな人は、隙間時間にストレッチをしたり、テレビを見ているときや家事をしているときに、ながら運動を習慣にしてしまうと無理なく続けることができます。
家の中で自分のタイミングでできるので、がんばらなくても大丈夫。
食事会や飲み会に参加して食べすぎたことを後悔するよりも、その前後の食事をコントロールして1週間くらいで帳尻を合わせる。そのほうが罪悪感を抱かずに食事を楽しむことができます。せっかく楽しい食事会でカロリーばかり気にしなくても大丈夫。
「がんばる」ことをやめてみると、メリハリのあるアンチエイジング生活ができてしまうのです。
アンチエイジングのための食事
しかし、そんな特別なものでなくてもいいのです。
ごはんと具だくさんの汁物、メインのおかずを中心とした食事をすると栄養素のバランスが整います。
「なんだ普通じゃない、それでいいの。」と思いましたか。
それがいいのです。
糖質制限や油抜き、お肉ばかり食べる、サラダばかり食べるなどの偏った食事は栄養素のバランスを崩しやすく、体重を減らしたいのに太りやすくなったり、肌が荒れてしまったりとアンチエイジングとは逆の効果が出てしまうことが多いのです。
- ごはんには雑穀を入れてみる
- 汁物は野菜や海藻、きのこをたっぷり入れて具だくさんにする
- 肉や魚、大豆製品などのおかずもしっかり食べる
- 朝、昼、夕食は欠食せず、よく噛んで食べる
など、ちょっとしたことを意識するだけで満腹感や満足感が得られ、アンチエイジングには欠かせないたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維をとることができます。
40代以降は慣れない運動や食事制限をしてがんばるよりも、自分にできることを毎日の習慣にして、それを続けたほうが効果があらわれやすいのです。
みなさんも今日から無理なくできるアンチエイジングを始めてみませんか。
担当管理栄養士:木村みえこ
担当管理栄養士:木村みえこ
参考文献
- 三城円「食べながらやせるすごい方法」サンマーク出版(2019)
- 稲島司「医師が実践する超・食事術」サンクチュアリ出版(2018)
- 日比野佐和子「忙しくても15kgやせて二度と太らない美習慣」主婦の友社(2016)
木村みえこ執筆コラム
●管理栄養士が実践する梅雨の体調管理法
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