管理栄養士が実践する!腸内環境の整える方法/木村みえこ
今年も乾燥の季節がやってきました。
そして、便秘薬の成分にもなっているマグネシウムは水を含んで便を軟らかくしてくれる作用があるのですが、海藻や貝類、豆腐やナッツ類に豊富に含まれています。
最後に腸内環境を整えるのにおすすめの油は、オリーブオイルやナッツ類、アボカドに含まれるオレイン酸という脂肪酸です。なんと地中海沿岸の国の人たちはオリーブオイルを下剤として使っているのだそうです。
2019年10月29日
お肌が乾燥しがちになり、カサカサしたり小じわが気になったりと「鏡に映った自分の顔を見るとため息が出る。」という人もいるのではないでしょうか。しかし、お肌だけでなく、呼吸によって外気に接する肺も乾燥しがちになり、咳が出たり喘息の症状が出やすくなるといったことが起こります。
また、中医学では肺と大腸は関りが深い臓器とされていて、この季節は腸のトラブルも起こりやすいとされています。
「お腹が張る」「便は出たけどスッキリしない」「便秘がち」「お腹が痛い」または「すぐお腹をこわす」「下痢が続く」などの症状を感じやすい季節だといえるかもしれません。
そこで今回は「腸内環境の整え方」についてお話をします。
なぜ腸内環境を整えるのか
腸には脳に次いで、たくさんの神経細胞が集まっていて独自の神経回路を作っています。そこから直接他の臓器に働きかけたり、脳と連動して動いています。
とても重要な働きをしているのですが、ストレスがあると自律神経の交感神経の働きが強くなり、腸の動きをストップさせようとするのです。
それが長く続いてしまうと、腸内環境が悪くなり下痢や便秘といった腸の不調、アレルギーや皮膚炎などのお肌の不調や気分が落ち込むなどの心の不調を引き起こしてしまうのです。
日々の生活でストレスを避けることはできませんが、生活習慣を少し見直して腸内環境を整えることでストレスをやわらげたり、ストレスに強い腸を作ることができるのです。
腸内環境を整えるにためは?
もちろん腸にいい食事を心がけたいのですが、食事と食事の間隔、すなわち食生活のリズムも大切です。
朝食、昼食、夕食を毎日同じくらいの間隔でとることで生活全体のリズムが整い、自律神経のバランスも整いやすくなります。自律神経のバランスが整うと腸への悪い影響を避けることができます。
朝食、昼食、夕食を毎日同じくらいの間隔でとることで生活全体のリズムが整い、自律神経のバランスも整いやすくなります。自律神経のバランスが整うと腸への悪い影響を避けることができます。
欠食すると生活リズムが崩れるので自律神経のバランスも崩れやすくなるため、食欲がなくても、お腹がすいていなくても、時間がなくても、何か少しでも口にすることが大切なのです。
腸内環境を整える食べ物は?
では、どんな食材を食べればいいのでしょう。
乳酸菌は味噌やしょうゆ、キムチやぬか漬けなどに含まれている植物性の乳酸菌がおすすめです。なぜならヨーグルトなどに含まれる動物性の乳酸菌と違って、生きた状態で腸まで届き善玉菌が住みやすい環境にしてくれるからです。
食物繊維は野菜や果物、海藻やきのこ、雑穀などに豊富に含まれています。便秘を解消するだけでなく老廃物を外へ排泄する力があるので、美肌作りにも役立ちそうですね。また、血圧や血糖値、コレステロール値の改善が期待できるといわれています。
抗酸化、抗ストレスのビタミンといわれるビタミンCは野菜や果物に豊富に含まれています。
そして、便秘薬の成分にもなっているマグネシウムは水を含んで便を軟らかくしてくれる作用があるのですが、海藻や貝類、豆腐やナッツ類に豊富に含まれています。
最後に腸内環境を整えるのにおすすめの油は、オリーブオイルやナッツ類、アボカドに含まれるオレイン酸という脂肪酸です。なんと地中海沿岸の国の人たちはオリーブオイルを下剤として使っているのだそうです。
腸内環境が整うと免疫力も高まり病気に負けない体を作ることができます。だんだん寒さが厳しくなると増えてくるインフルエンザにも負けない体にしておきたいですね。
みなさんも雑穀をごはんに入れたり、野菜や海藻、きのこや豆腐などが入った具だくさんの味噌汁を食べて腸内環境を整えてみませんか。
きっと体調や気分の変化を感じることができるはずです。
担当管理栄養士:木村みえこ
参考文献
・三城円「食べながらやせるすごい方法」サンマーク出版(2019)
・三城円「食べながらやせるすごい方法」サンマーク出版(2019)
・小林弘幸「自律神経が整う時間コントロール術」小学館(2016)
・佐藤弘・吉川信「東洋医学の基本講座」成美堂出版(2016)
・松生恒夫「「腸ストレス」を取り去る習慣」青春出版社(2011)
・中島春紫「日本の伝統発酵の科学」講談社(2018)