男女で違う?体脂肪がつくメカニズム/三城円
さまざまなダイエット法がありますが、実は男女で脂肪がつくメカニズムに違いがあります。
男性は内臓脂肪がつきやすい一方、女性は皮下脂肪がつきやすくなっています。これは、男性ホルモン、女性ホルモンが大きく関係しています。
女性の場合、女性ホルモンが大きく関係しています。
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、この二つのホルモンがバランスよく分泌されることで、女性らしい体つきや機能を保っています。
そのため、女性は男性に比べると内臓脂肪がつきにくいのですが、閉経後、このホルモンの分泌が減ることで、内臓脂肪がつきやすくなります。それでも皮下脂肪からエストロゲンが分泌されているため、閉経後であっても男性のようには内臓脂肪がつくことはありません。
しかし、テストステロンは20代をピークにだんだん減少していきます。基礎代謝も15~17歳をピーク(1,610kcal/日)に減少していきます。
合わせて社会人となり、朝食の欠食や食生活の偏り、睡眠時間の乱れ、運動量の低下なども重なり、40歳くらいになったとき「昔は食べても太らなかったのに、お腹がぽっこりして、メタボ検診に引っかかった」と話をされる男性も少なくありません。
気がついたら内臓脂肪がついて「昔はいていたズボンがきつい」「ベルトがしまらない」などが起こります。
最近はやりの「食べる順番ダイエット」。
野菜が多い副菜を食べてから、メインを食べ、最後に糖質が多い主食を食べることで、血糖値をあげないという食べ方です。
確かに、糖質過多は中性脂肪が増えてしまいます。しかし、糖質だけが脂肪に変わるのではなく、脂質、タンパク質もエネルギーを含むため、体脂肪に変わります。
また、定食は健康で、単品メニューはダメ、ということはありません。
結局のところ、どのような順番で食べたとしても、食べたものを一時的に蓄えるのは胃です。胃での消化には、栄養素によって異なりますが、1~4時間ほどかかります。このとき、胃のぜん動運動が起こり、全体的に粥状になります。
体脂肪をつけないためには、おにぎりだけ、パンだけ、うどんだけ、肉だけ、プロティンバーだけ、のような単品食べは避け、
体内活性ごはん(主食+おかず+体内活性みそ汁)をセットになる食べ合わせを意識して選びます。
そして1日のエネルギー量は体重kg×30~40kcalを目安に食べるとよいでしょう。
写真のようなカレーも、主食のごはんとおかず(ルー)にタンパク質源、野菜などをたっぷり入れれば、栄養素のバランスが整います。
今回は、「男女での脂肪のつきかたのメカニズム」と「簡単にできる食事の選び方・食べ方」についてまとめました。
具体的な体内活性ごはんを知りたい、家で実践したい、
という方は「1週間で体が変わる 食べながらやせるすごい方法(サンマーク出版)」にレシピなど記載しております。
また、パーソナル管理栄養士の食事サポートも受け付けております。お悩みに合った管理栄養士をご紹介いたします。
まずはお気軽にお問い合わせいただけると幸いです。
担当管理栄養士:三城円
参考文献
2019年11月13日
男性は内臓脂肪がつきやすい一方、女性は皮下脂肪がつきやすくなっています。これは、男性ホルモン、女性ホルモンが大きく関係しています。
女性は皮下脂肪がつきやすい
女性の場合、女性ホルモンが大きく関係しています。
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、この二つのホルモンがバランスよく分泌されることで、女性らしい体つきや機能を保っています。
女性らしさを維持するエストロゲン
エストロゲンは、皮下脂肪を厚くして女性らしい体つきを作り、内臓脂肪はつきにくくする働きがあります。そのため、女性は男性に比べると内臓脂肪がつきにくいのですが、閉経後、このホルモンの分泌が減ることで、内臓脂肪がつきやすくなります。それでも皮下脂肪からエストロゲンが分泌されているため、閉経後であっても男性のようには内臓脂肪がつくことはありません。
妊娠・出産にそなえるプロゲステロン
プロゲステロンは、排卵後に分泌されるホルモンで、例えば受精卵を着床しやすくしたり、妊娠状態を維持する、胎児に栄養がいきわたるよう食欲増進するなど、妊娠に備える働きをします。ですから、排卵期から黄体期はダイエットをしていてもやせにくい、むくみやすい、甘いものを欲する、食欲が増進するなど「ため込み体質」になります。中年男性のぽっこりおなかの原因は男性ホルモン
男性ホルモンの代表的なものであるテストステロンは、筋肉を発達させて、男性らしい体を作り、体脂肪を燃焼させる働きがあります。ですから、男性の方がダイエットをし始めると結果がでやすいのも、このホルモンの影響があると考えられます。しかし、テストステロンは20代をピークにだんだん減少していきます。基礎代謝も15~17歳をピーク(1,610kcal/日)に減少していきます。
合わせて社会人となり、朝食の欠食や食生活の偏り、睡眠時間の乱れ、運動量の低下なども重なり、40歳くらいになったとき「昔は食べても太らなかったのに、お腹がぽっこりして、メタボ検診に引っかかった」と話をされる男性も少なくありません。
「ストレスで太る」は本当だった?!
脳がストレスを感じると、ストレスホルモンといわれるコルチゾールが副腎から分泌されます。コルチゾールはテストステロンの分泌を減少させ、血中のエネルギーを消費するため、食欲が亢進。気がついたら内臓脂肪がついて「昔はいていたズボンがきつい」「ベルトがしまらない」などが起こります。
「食べる順番」より「食事の内容」が大事
最近はやりの「食べる順番ダイエット」。
野菜が多い副菜を食べてから、メインを食べ、最後に糖質が多い主食を食べることで、血糖値をあげないという食べ方です。
確かに、糖質過多は中性脂肪が増えてしまいます。しかし、糖質だけが脂肪に変わるのではなく、脂質、タンパク質もエネルギーを含むため、体脂肪に変わります。
また、定食は健康で、単品メニューはダメ、ということはありません。
結局のところ、どのような順番で食べたとしても、食べたものを一時的に蓄えるのは胃です。胃での消化には、栄養素によって異なりますが、1~4時間ほどかかります。このとき、胃のぜん動運動が起こり、全体的に粥状になります。
体脂肪をつけないためには、おにぎりだけ、パンだけ、うどんだけ、肉だけ、プロティンバーだけ、のような単品食べは避け、
体内活性ごはん(主食+おかず+体内活性みそ汁)をセットになる食べ合わせを意識して選びます。
そして1日のエネルギー量は体重kg×30~40kcalを目安に食べるとよいでしょう。
写真のようなカレーも、主食のごはんとおかず(ルー)にタンパク質源、野菜などをたっぷり入れれば、栄養素のバランスが整います。
今回は、「男女での脂肪のつきかたのメカニズム」と「簡単にできる食事の選び方・食べ方」についてまとめました。
具体的な体内活性ごはんを知りたい、家で実践したい、
という方は「1週間で体が変わる 食べながらやせるすごい方法(サンマーク出版)」にレシピなど記載しております。
また、パーソナル管理栄養士の食事サポートも受け付けております。お悩みに合った管理栄養士をご紹介いたします。
まずはお気軽にお問い合わせいただけると幸いです。
担当管理栄養士:三城円
参考文献
- e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」厚生労働省(2019.11.12閲覧)
- 土田隆「眠れなくなるほど面白い 図解 体脂肪の話」日本文芸社(2019.9.11)
- 梅澤俊彦「カラー図解 人体の正常構造と機能」日本医事新報社(2017.1.27)
- 菱田明、佐々木敏「日本人の食事摂取基準(2015年版)」第一出版(2017)
- 三城円「食べながらやせるすごい方法」サンマーク出版(2019)