アラフィフ管理栄養士が実践する!二十四節気に学ぶ食べ方①/木村みえこ
12月も後半を迎え、クリスマスの準備や年末の準備と働く女性にとっては忙しい時期なりましたね。
年始まで毎日が慌ただしく、気持ちが落ち着かない毎日が続きますが、体調を崩したりしていませんか。
冬至といわれるこの時期は、一年の中でもとても寒く、体も冷えやすくなり体調を崩しやすくなります。特にアラフォー、アラフィフといわれる世代の女性は冷えると様々な不調が表れやすくなります。本当につらいですよね。
2019年12月18日
年始まで毎日が慌ただしく、気持ちが落ち着かない毎日が続きますが、体調を崩したりしていませんか。
さて、12月22日は二十四節気の冬至です。
今回は日本人が昔から大切にしてきた季節ごとの習慣から、食べ方のコツをお伝えします。
今回は日本人が昔から大切にしてきた季節ごとの習慣から、食べ方のコツをお伝えします。
二十四節気とは
日本では江戸時代からこの暦が使われており、人々の生活に根付いていったもので、この二十四節気をもとに季節の行事や農作業が行われていました。そして、その季節にその土地で収穫したものを食べて太陽や大地のパワーを補給し、季節ごとの体調管理に役立てていたのです。「季節感がなくなった」といわれる現代の生活でも、昔から大切にしてきた知恵を取り入れて、旬のものを食べることで、少しずつ体調によい変化が出てくると考えられています。
冬至の意味をご存知ですか
パワーが弱いというとあまりよいイメージではありませんが、「太陽のパワーが弱くなって、寒い冬がやってきた」と考えるのではなく、「春が少しずつ近付いてくる」と考えられていました。そのようにポジティブにとらえることも体調管理をするうえでは大切なのことなのです。次の日からは少しずつ日が長くなり太陽のパワーが復活し始める、ということから、冬至を「一陽来復(幸運に向かう)」といい、特別な日として過ごしてきました。
私たちの身体も季節の移り変わりと同じように、寒くて昼間が短い冬の間は体も動かしにくくなり気持ちも沈みがちになり、なかなか活発に動くという気分にもなりません。
そこで季節の行事や食べるもので身体を大切にしていました。
そこで季節の行事や食べるもので身体を大切にしていました。
なかでも冬至に「ん」がつくものを7つ食べると「運がつく」「運盛り」といって縁起がよいとされており、今もその風習が残っている地域があるのだそうです。
なんきん(南瓜)のほかに、にんじんやれんこん、だいこん、ぎんなんなどがそれに当たります。どれもこの季節においしく食べられるものばかりですね。
今年は「ん」がつくものを7つ食べて運を引き寄せてみませんか。
また、冬至といえば柚子湯です。
柚子は太陽を意味し、弱くなった太陽のパワーを補うものとされていました。
柚子は太陽を意味し、弱くなった太陽のパワーを補うものとされていました。
「冬至に柚子湯に入ると風邪を引かない」と言いますが、柚子の香りが邪気を払うとされ、実際に血行促進の作用や、湯冷めを防止してくれる作用があることが分かっています。
忙しい日々の疲れを癒すためにも、柚子湯にのんびりつかると疲れもとれそうですね。
忙しい日々の疲れを癒すためにも、柚子湯にのんびりつかると疲れもとれそうですね。
旬の食材を無理なく取り入れてみよう
冬至といわれるこの時期は、一年の中でもとても寒く、体も冷えやすくなり体調を崩しやすくなります。特にアラフォー、アラフィフといわれる世代の女性は冷えると様々な不調が表れやすくなります。本当につらいですよね。
そんなときこそ、この季節の旬の食材や体を温めて巡りをよくする食材を取り入れて冷えを改善・予防してみましょう。体の冷えがなくなれば、冷えからくる不調も怖くありません。
それでは、具体的にどのようなものを食べるとよいのでしょう。
例えば、南瓜やれんこん、水菜や春菊、ほうれん草、小松菜やキャベツなどの旬の野菜、里芋、長芋、さつま芋などの芋類、また薬膳の世界では冷えを癒す食材として黒キクラゲをはじめとするキノコ類も推奨されています。ショウガやネギ、シソ、ニンニクやニラといった香りの強い野菜や、スダチや柚子、カボスなどの柑橘類は、血行を促進します。
これらの食材をメインのおかずや副菜、汁物などに加えてみましょう。
料理は苦手、作る時間や気力がない、というときは、具だくさんのみそ汁やスープにして薬味をたっぷり入れるだけで、体が温まり、必要な栄養素もしっかり摂れるので、調理の手間が省けてとても便利です。また、みんなで食卓を囲んで季節感が味わえる鍋料理にしてもいいですね。
いかがでしたか。
昔から日本人が大切にしてきた食養生。食養生と聞くと、難しいものだと感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
昔から日本人が大切にしてきた食養生。食養生と聞くと、難しいものだと感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
その土地で採れた旬の食材と旬のものを自分の体調に合わせて食べる。とてもシンプルなものです。
参考文献
- 三城円「1週間で体が変わる 食べながらやせるすごい方法」サンマーク出版(2019)
- 高月美樹 瀬戸口しおり「にっぽんの七十二候」枻出版(2016)
- 本間美加子「日本の365日を愛おしむ―毎日が輝く生活歴 東宝出版(2019)
- 吉川信 佐藤弘 「東洋医学の基本講座」成美堂出版(2016)