酒呑み管理栄養士が伝授!デキる男の日本酒選び入門/河村桃子
「日本酒は好きだけど何を選んだら良いのかわからない」
「日本酒をプレゼントする時はとりあえず高いものにしている…」
など、日本酒が好きでも種類が複雑で選び方がわからないといったお悩みに応えるべく、日本酒選びのポイントをお伝えします。
選び方の知識があると、接待でお店を選ぶ時にも役立ちますよ!
「日本酒をプレゼントする時はとりあえず高いものにしている…」
など、日本酒が好きでも種類が複雑で選び方がわからないといったお悩みに応えるべく、日本酒選びのポイントをお伝えします。
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味や香りの傾向がわかる 〜使われている「米」を知る〜
酒造りに適した酒造好適米
日本酒を造るときに使う米は私たちが日常食べている食用の米とは違い、酒造好適米という米粒が大きく、真ん中に心白(しんぱく)というデンプンの塊がある酒造りに適した米を使います。アルコールを作るには糖が必要なため、デンプン質の心白が糖のもととなるのです。
味に違いが生まれるのはなぜ?!
日本各地で酒造好適米が生産されており、その品種は100種類以上もあります。その中でも生産量の約70%を占めるのが、山田錦・五百万石・美山錦の3種類です。中でも山田錦は「酒米の王様」とも言われ、全国新酒鑑評会で上位を獲得する日本酒によく使われています。
日本酒の味わいを変えるのは?!
日本酒のラベルに「精米歩合 ◯%」と書いてあるのをご覧になったことがありますよね。精米歩合とは、原料となる玄米をどれだけ削ったかを表しているもので、削った後に残った米の量を%で表示しています。この精米歩合によって同じ品種の米を使っても味わいが変わってきます。
米の心白の周りには脂質やたんぱく質が含まれており、これらは旨味の要素であるものの、多すぎると雑味となってしまいます。そのため、表面を削ることで雑味の少ないスッキリとした味を作り出すのです。
表面を削ることを酒造業界では「磨く」と言います。精米機を使って高速で米を磨くと心白が割れてしまうため、ゆっくり時間をかけて磨く必要があり、時間とコストがかかります。そのため精米歩合が低いほど価格は高くなります。
しかし、精米歩合が低いから美味しいお酒、高いから不味いお酒というように、この値だけで日本酒の優越を決めることは出来ません。あくまでも味わいを知る指標として活用しましょう。
日本酒の肩書き 〜「特定名称酒」でどんな種類なのかを知る〜
日本酒を選ぶ際に「純米酒」「醸造酒」「吟醸酒」「純米大吟醸酒」などといった記載を目にしますよね。これらは特定名称酒といい、言わば日本酒の肩書きです。
日本酒には大きく分けると普通酒と特別名称酒の2種類があり、普通酒は、原料や精米歩合に決まりがなく、比較的リーズナブルな価格帯のため日常酒として飲まれていることが多いお酒です。一方で特別名称酒は、ある一定の条件を満たして製造された日本酒に限って表記することができます。
特定名称酒は大きく分けると純米酒と本醸造酒の2種類があります。
特定名称酒は大きく分けると純米酒と本醸造酒の2種類があります。
米の旨みとコクが魅力の「純米酒」
米と水・米麹だけで造られたものを純米酒といい、米そのものの甘みや旨味が楽しめるのが特徴です。精米歩合や製法により純米酒・特別純米酒・純米吟醸酒・純米大吟醸酒の4種類に分けられ、それぞれ味や特徴に違いがあります。
吟醸という名称がつくものは、吟醸造りという手間をかけて磨いた米を低温でじっくり発酵させる製法で作られたもので、フルーティーな香りが特徴です。また、特別純米酒は精米歩合60%以下または木槽しぼりや長期低温発酵など特別な製造法で作られたもので、酒蔵が他の商品と差別化を図る目的などで作られています。
すっきりとした味わいが魅力の「本醸造酒」
米と水・米麹と純米酒と同じ材料に、サトウキビを原料にした醸造用アルコールを米の重量10%までの割合で添加して造られたものが本醸造酒です。
すっきりとした味わいと香りを引き立たせるため、醸造用アルコールを添加します。純米酒と同じく、精米歩合や製法により本醸造酒・特別本醸造酒・吟醸酒・大吟醸酒の4種類に分けられ、それぞれ味や特徴に違いがあります。
すっきりとした味わいと香りを引き立たせるため、醸造用アルコールを添加します。純米酒と同じく、精米歩合や製法により本醸造酒・特別本醸造酒・吟醸酒・大吟醸酒の4種類に分けられ、それぞれ味や特徴に違いがあります。
大吟醸酒と吟醸酒の吟醸造りと、特別醸造酒の製造方法については純米酒と同じです。
ここで注意点として、醸造酒はアルコールを添加しているため、純米酒よりも劣ると思われがちですが、醸造アルコールを添加して日本酒を造り出すには高度な技術が必要です。こちらも優越をつけるのではなく、どういったタイプの日本酒が飲みたいかで選ぶ時の目安として活用しましょう。
さて、今回は日本酒を選ぶ際にチェックするポイントとして「米」と「特定名称酒」についてお伝えしました。
しかし、日本酒は奥が深く、「日本酒度」や「酸度」など選ぶ際に見て欲しいチェックポイントはたくさんありますので、続きは次回にお伝えします!
担当管理栄養士:河村桃子
しかし、日本酒は奥が深く、「日本酒度」や「酸度」など選ぶ際に見て欲しいチェックポイントはたくさんありますので、続きは次回にお伝えします!
担当管理栄養士:河村桃子
参考文献
- 日本酒をめぐる状況(令和元年10月),農林水産省,(2020年2月6日閲覧)
- 「清酒の製法品質表示基準」の概要,国税庁,(2020年2月6日閲覧)
- 君島哲至「ゼロから始める日本酒入門」株式会社KADOKAWA(2013)
- 江口まゆみ「ビジネスパーソンのための一目おかれる酒選び」平凡社(2016)
- 石田洋司「ちょっと知ると、もっと好きになる 日本酒超入門 呑みたい酒の見つけ方 」サンクチュアリ出版 (2017)
河村桃子執筆コラム
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