元気な企業は社員の健康に投資!健康経営について知ろう/大嶋浩俊
2019年4月より、労働関連法が改正され「働き方改革」が始動しました。時間外労働の規制や有給休暇の取得義務化、フレックスタイム制の拡充など、健康への配慮が求められるようになりました。また、労働生産人口の減少が人手不足を招き、海外からの労働力にも依存しており、雇用の延長を図る必要がある現在では、今後もっと人的資産が重要となっていきます。
そこで今回は、従業員の健康に配慮することによって経営面においても大きな効果が期待できる「健康経営」についてお話します。
健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法です。
従業員等の健康増進や労働衛生等への取り組みにかかる支出を「コスト」ではなく、経営的な「投資」として前向きにとらえることです。企業が経営理念に基づき、従業員等の健康増進に取り組むことは、従業員の活力向上、生産性の向上をもたらし、業績の向上、企業イメージの向上にもつながります。
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2020年4月 8日
そこで今回は、従業員の健康に配慮することによって経営面においても大きな効果が期待できる「健康経営」についてお話します。
「健康経営」とは
健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法です。
従業員等の健康増進や労働衛生等への取り組みにかかる支出を「コスト」ではなく、経営的な「投資」として前向きにとらえることです。企業が経営理念に基づき、従業員等の健康増進に取り組むことは、従業員の活力向上、生産性の向上をもたらし、業績の向上、企業イメージの向上にもつながります。
健康経営のメリット
健康経営を行うと様々なメリットがあります。
① 企業のメリット
従業員の健康増進や労働生産性の向上、職場の活性化といった面だけでなく、社会的評価の向上にも寄与します。
健康な従業員が増えてくると、失業率の低下、医療費の削減、残業時間の削減など経費削減にも影響してきます。また、国や自治体、保険者、金融機関などが健康経営に取り組む企業を評価し、様々なインセンティブを寄与しています。健康経営の取り組みが評価された企業は、雇用獲得のメリット、顧客獲得のメリットもでてきます。
健康な従業員が増えてくると、失業率の低下、医療費の削減、残業時間の削減など経費削減にも影響してきます。また、国や自治体、保険者、金融機関などが健康経営に取り組む企業を評価し、様々なインセンティブを寄与しています。健康経営の取り組みが評価された企業は、雇用獲得のメリット、顧客獲得のメリットもでてきます。
② 従業員のメリット
従業員の健康を考えた企業では様々な取り組みがされています。社員食堂での健康メニュー導入や健康弁当の導入、健康に関する講師によるセミナーや教室などの実践、健診などの優遇制度や、有給休暇の取得制度など、健康状態を保つためのワーク・ライフ・バランスを高めるように考えられています。そのため、自身の健康の増進や仕事・生活にメリハリができるようになります。
健康経営実践のポイント
下記URLは大規模法人部門と中小企業法人部門の認定基準を示したものです。
まずやるべきこと
①健康宣言を行う
経営者のメッセージである「健康宣言」を発信することが健康経営のスタートとなります。
「健康宣言」の内容はなるべく具体的に、従業員にわかりやすい言葉を用いる事が大切となります。健康経営の実践においては、経営者の存在感や影響力は大きく、経営者のやる気が従業員のやる気に大きく関わってきます。
「健康宣言」の内容はなるべく具体的に、従業員にわかりやすい言葉を用いる事が大切となります。健康経営の実践においては、経営者の存在感や影響力は大きく、経営者のやる気が従業員のやる気に大きく関わってきます。
②担当者を決める
認定基準でも必須項目にある通り、ただやるのではなく、組織体制をしっかり作っていかなければなりません。そのためにリーダーとなる担当者を決めます。事業所が複数ある場合は事業所ごとに担当者を決めるとよいでしょう。産業医や保健師等の外部の人材活用も検討すると、取り組みの効果を高める事が出来ます。
③出来ることから始める
初めから大きな目標を立てるのも良いですが、まずは簡単な目標から取り入れるとハードルが下がるので、取り組みやすくなります。
例えば、「始業開始前にラジオ体操を行う」「健康診断の受診を促すポスターを掲示する」「No残業デイを作る」「体重計や血圧計を置く」など、簡単な活動からスタート出来ます。コストをかけなくても、自社の健康課題に対して出来ることから始めてみると、少しずつ意識の変化に繋がります。
例えば、「始業開始前にラジオ体操を行う」「健康診断の受診を促すポスターを掲示する」「No残業デイを作る」「体重計や血圧計を置く」など、簡単な活動からスタート出来ます。コストをかけなくても、自社の健康課題に対して出来ることから始めてみると、少しずつ意識の変化に繋がります。
認定基準に対しては必須項目もあり、取り組む必要性が出てくるものもありますが、自社の健康課題を把握し遂行しやすいことを話し合い、出来ることから始めていきましょう。もし、取り組みがうまくいかない場合は再度見直し、PDCAサイクルを回して評価、改善していくと良いです。
今回、お話した内容は、健康経営のさわりの部分にはなりますが、今多くの企業で健康経営に取り組まれています。自分の健康は個人の意識が大きく占めますが、企業全体で健康志向が高まれば、社会にも個人にも良いスパイラルが起こります。
健康経営の詳しい内容は経済産業省のホームページにて掲載されています。
健康経営の詳しい内容は経済産業省のホームページにて掲載されています。
働き方改革の実現に不可欠と言われる健康経営。組織としてどのように取り組むことが必要か、まずは認識を深めていきたいものです。
担当管理栄養士:大嶋浩俊
担当管理栄養士:大嶋浩俊
参考文献
- 健康経営アドバイザー・エキスパートアドバイザー共通テキスト,東京商工会議所,2019.6
- 健康経営優良認定制度(METI/経済産業省)(2020.3.26閲覧)
- 企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改定第1版),経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課(2020.3.17閲覧)
- コラボヘルスガイドライン-厚生労働省(2020.3.17閲覧