妊娠糖尿病だった管理栄養士が実践 日常生活のポイントその①/矢村千紘
こんにちは。管理栄養士の矢村です。前回は「妊娠糖尿病との向き合い方」についてお伝えしました。
今回は2回の妊娠糖尿病を経験したその後、私が実践している食生活の工夫についてご紹介します。
妊娠糖尿病を2回経験しインスリン治療も行った私は、中でも糖尿病になりやすいハイリスク群です。そんな私ですが、[ストレス]が一番の大敵だと思っていますので、日常生活で無理のあることはなるべく控えています。
また、口に入れて「甘い」と感じるものは消化に時間がかからず、血糖が急上昇します。清涼飲料水に限らず、コーヒーや紅茶はお砂糖を入れないなど、甘い飲み物は控えています。
2020年4月29日
今回は2回の妊娠糖尿病を経験したその後、私が実践している食生活の工夫についてご紹介します。
糖尿病発症リスク約7倍
新生児のお世話で生活時間も変わり、それとともに食生活も乱れがちですが、前回もお伝えした通り、妊娠糖尿病の既往がある場合、妊娠糖尿病でなかった人に比べて糖尿病になる確率は約7倍となります。
2型糖尿病の発症には食生活が大きく影響しますので、食生活の見直しや食べ方の工夫をして、習慣にしていくことがとても重要になります。
糖尿病は万病のもと?
実は糖尿病で[食べてはいけないもの]はありません。実際、糖尿病患者さんであっても量や頻度やタイミングをコントロールして甘いものも楽しんでいます。
もっと気にしてほしいのは、糖尿病=血糖値が高い状態が続くことで様々な病気につながるということ。
糖尿病特有の合併症症状が、視力の低下や喪失、腎臓機能の悪化、感覚神経や自立神経の障害といった日常生活に支障が出るもの。他にも、心筋梗塞・脳卒中・がん・認知症の発症リスクが上がる、感染症に罹患しやすく重症化しやすくなります。
もちろん糖尿病と診断した時点でこれらの病気が起こるわけではありません。何も起こらず過ごす方もたくさんいます。血糖値が高い状態が続かないように、『コントロール』することが発症後だけでなく予防のためにも重要だと考えています。
具体的に実践していること
妊娠糖尿病を2回経験しインスリン治療も行った私は、中でも糖尿病になりやすいハイリスク群です。そんな私ですが、[ストレス]が一番の大敵だと思っていますので、日常生活で無理のあることはなるべく控えています。
どういった対策かというと、大きく分けて①食事 ②運動、この2 点です。
当たり前かもしれませんが、特別なことや手に入りにくい食材は続かないのでお勧めできません。また、ちょっと悪い習慣だな、と思うことを全て一気に変える必要もありません。少しずつ、自分の納得したことから取り組んでいくことをお勧めします。
血糖上昇を緩やかにする食べ物・食べ方
特に血糖値を上げやすい、食事中の「糖質量」と合わせて血糖値が上がりにくい食べ物・食べ方を選択することが有効です。
血糖値の上がりやすさの目安となるGI値を参考にしてもいいでしょう。
血糖値の上がりやすさの目安となるGI値を参考にしてもいいでしょう。
主食を選ぶときの注意点
妊娠時の血糖測定の経験から白米と玄米の血糖上昇の違いを実感しています。
玄米の方がGI値が低いこと以外にも、未精製の穀類は咀嚼の回数が増え食事時間が延長すること、食物繊維量が多く消化吸収に時間がかかるため、血糖上昇が緩やかになります。外食では玄米や雑穀といった主食を選ぶことが難しい場合も多いので、白米を食べることもあります。私は朝夕の2食は基本子供と一緒に自宅で食べるため、頻度の高い自宅での主食は雑穀米や玄米を取り入れています。
玄米の方がGI値が低いこと以外にも、未精製の穀類は咀嚼の回数が増え食事時間が延長すること、食物繊維量が多く消化吸収に時間がかかるため、血糖上昇が緩やかになります。外食では玄米や雑穀といった主食を選ぶことが難しい場合も多いので、白米を食べることもあります。私は朝夕の2食は基本子供と一緒に自宅で食べるため、頻度の高い自宅での主食は雑穀米や玄米を取り入れています。
また、そばやスパゲッティといった麺類は白米に比べてGI値は低いのですが、糖質中心の食事になりやすく、スルスルっと噛まずに食べられるため、血糖が上昇しやすくなります。
そのため、一般的にスパゲッティの乾麺100gが1食分とされていますが、私は多くても80gまでとして具材をたくさん入れて糖質量と栄養バランスを調整しています。
また、口に入れて「甘い」と感じるものは消化に時間がかからず、血糖が急上昇します。清涼飲料水に限らず、コーヒーや紅茶はお砂糖を入れないなど、甘い飲み物は控えています。
他にも、
・食後は体を動かす
・定期的に筋トレをする
・体重測定を日課にする
といったことで、血糖値を上げない習慣を作っています。
甘いものを楽しみたいときももちろんありますので、そういった時は思いっきり楽しむなど、メリハリをつけてストレスをためないようにも気をつけています。
あなたはどの習慣から改善してみますか?
パーソナル管理栄養士は、スムーズに日常生活に組み込める改善案を一緒に探し、あなたの目指す「健康」へのサポートをしております。お気軽にお問い合わせくださいませ。
担当管理栄養士:矢村千紘
参考文献
担当管理栄養士:矢村千紘
参考文献
- 「糖尿病療養指導ガイドブック2015」メディカルビュー社(2015)
- 日本糖尿病・妊娠学会「糖尿病と妊娠に関するQ&A」(2020.4.23閲覧)
- 亀山詞子, 丸山千寿子「GIとカーボカウント」 - 糖尿病56巻12号, 2013(2020.4.23閲覧)