スープで旅するgo to世界旅行 ~アジア編~/木村みえこ
世界的にコロナウイルスが蔓延して、誰も想像していなかった生活が続いていますね。ステイホームが解除され外出も可能になりましたが、まだまだ油断できない状況が続いています。
日本にも「miso soup」という素晴らしいスープがあります。体によいものを食べても、消化吸収できなければ「摂れた」ことになりません。
とくにみそは大豆たんぱく質の摂取のほか、消化機能を高める作用があるといわれています。熱中症や脱水症状予防の塩分や水分の補給としても最適です。できれば毎日、旬の食材をたっぷり入れてスープを楽しんでみませんか。
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2020年7月22日
いよいよ夏本番ですが、なかなか旅行に行きづらいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回から3回のシリーズで世界のスープを通じて皆様を疑似旅行へと誘いたいと思います。食事を作る際にヒントにしていただけると嬉しいです。それでは、楽しんでくださいね。
今回は私たちが住むアジアのスープを見ていきましょう。
トムヤムクン(タイ)
タイ料理には欠かせないナンプラー、ライムや唐辛子、こぶみかんの葉やショウガ、レモングラス、そしてパクチーといったスパイスや調味料を使った酸っぱ辛いスープです。
暑い日は、ついつい冷たいものばかりを摂りがちで、夏バテを起こしやすくなります。
しかしこれらのスパイスには、消化をよくしたり、気のめぐりや血のめぐりをよくして気持ちをリフレッシュするほか、発汗を促して体温を放散するという作用もあるといわれています。そのため、夏バテ予防として湿度が高く暑いタイではよく食べられるメニューなのかもしれません。
フォー ボー(ベトナム)
フォーはお米でできている平たい麺でつるっとした喉越しがなんとも言えません。しっかりゆでた牛肉、そしてネギやもやし、パクチーなどが乗っているのがスタンダードなのだそうですが、最近ではバリエーションが増えていて色々な味が楽しめるようです。本来は牛骨でスープを取りますが、自宅で作る場合は牛肉のゆで汁で代用ができます。
これらの食材は胃腸にやさしく、消化機能を高めて疲れを取り、体力の回復が期待できるとされています。また、代謝を高めてむくみを改善する作用もあるといわれています。暑くて食欲がなくなる季節にはピッタリですね。
参鶏湯(韓国)
寒い冬に体を温めるために食べるものというイメージが強いですが、本場韓国では夏の滋養強壮に食べるのだそうです。夏バテ知らずの体になりそうですね。
鶏が丸ごと入っているので作るのは難しいと思ってしまいますが、これは宮廷料理で、家庭では手羽元などで代用ができます。鍋に鶏肉やもち米、朝鮮人参やなつめ、松の実などの材料を全て入れ、水から煮込めば簡単に作れます。胃など内臓を温めて内臓の力を高め、体はもちろんのこと心の安定にも役立つといわれています。参鶏湯も夏バテ予防によさそうですね。
いかがでしたでしょうか。世界をみてもその土地の気候にあった食材で体調管理をしていることがわかりますね。
日本にも「miso soup」という素晴らしいスープがあります。体によいものを食べても、消化吸収できなければ「摂れた」ことになりません。
とくにみそは大豆たんぱく質の摂取のほか、消化機能を高める作用があるといわれています。熱中症や脱水症状予防の塩分や水分の補給としても最適です。できれば毎日、旬の食材をたっぷり入れてスープを楽しんでみませんか。
担当管理栄養士:木村みえこ
参考文献
- 三城円「食べながらやせるすごい方法」サンマーク出版(2019)
- 荻野恭子「世界の味をおうちで楽しむ旅するスープ」ナツメ社(2019)
- 沼野恭子「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会(2018)
- 吉川信 佐藤弘 「東洋医学の基本講座」成美堂出版(2016)
- 【公式】タイ国政府観光庁(2020.7.12閲覧)
木村みえこ執筆コラム
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