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  1. 妊娠糖尿病だった管理栄養士が実践!日常生活のポイント②運動編/矢村千紘

妊娠糖尿病だった管理栄養士が実践!日常生活のポイント②運動編/矢村千紘

こんにちは!妊娠糖尿病を2回経験した、管理栄養士の矢村千紘です。前回のポイント①でもお伝えした通り、糖尿病への移行リスクが7倍ですので、日常で気をつけられることをコツコツと取り組んでいます。
 
今回は日常生活のポイント②運動について、効果も含め、実践していることをお伝えします。
 
産後、体重が増えてしまったという話もよく耳にします。育児や家事に忙しく動いている反面、ストレスから過食してしまう、子供の残したものを食べる、寝かしつけ後のデザート(楽しみ)、といったことで摂取カロリーが増える傾向にあります。
 
脂肪はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを悪くするので、血糖値が下がりにくくなります。体重増加は脂肪が増えていることがほとんどですので注意が必要です。
効果的に、かつ続けられるよう日常に取り入れるポイントについてもお伝えします。
 
運動といっても、筋トレやランニング、ジムに通うなどのハードな運動ばかりでなくて大丈夫ですのでご安心くださいね。

 

運動の効果は?

20200701コラム画像1.jpg
エネルギー消費量の増加や、インスリンの働きが良くなることで、血糖値の改善や肥満の是正が期待できます。

運動をすると筋肉でのブドウ糖の利用が高まるため、運動後は血糖値が低下します。これが「運動の急性効果」です。また、定期的な運動を行うと、インスリンの働きがよくなり、血糖値が下がりやすくなります。これが「運動の慢性効果」です。
1回の運動でも急性効果が得られ、継続して行うと慢性効果も得られるようになります。

その他にも、心肺機能が高まること、気分転換やストレス解消も、嬉しい効果です。

 
 

運動の種類

  1. レジスタンス運動(筋トレなど)
  2. 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)
どちらの運動も効果がありますので、取り組みやすいものから始めてみましょう。
 
 

食後は体を動かす

20200701コラム画像2.gif
食事をすると食事中の糖質が胃で消化され、腸から吸収されてブドウ糖として血液中に送り込まれます。そのため食後は血糖値が上昇します(上記図)。
通常、健康な人の食後血糖値は150mg/dl以上にはならないのですが、インスリンの出る量が少ない、出るタイミングが遅いなど、上手に肝臓や筋肉に取り込まれないと、必要以上に糖が血液に余ってしまいます。
 
そこで「運動の急性効果」を意識して食後はできるだけ体を動かすよう心がけましょう
 
また、ゆっくりとした運動であっても、10日間行うだけでも「運動の慢性効果」は期待でき、食事療法だけの群に比べて、運動療法を加えると、筋細胞の脂肪量が2割多く減り、インスリンの働きが2倍以上高まって血糖値が改善されます
1日30分程度の運動が目標となりますが、特別に気合いを入れた運動でなくとも、10分×3回といった細切れ運動、立っている時間を増やす、ウォーキングではなく散歩だけでも効果はありますので、ぜひ意識してやってみて欲しいと思います。
 
 

日常に無理なく取り入れる

20200701コラム画像3.jpg
血糖値コントロールのための運動の効果はお分かり頂けましたでしょうか。私もこの運動の効果を意識しながら日常に取り入れていますので、ご紹介します。
 
 

歩数計をつける

歩数計をつけるだけで2000歩増えると言われており、時間でいうと約20分多く歩くことになります。「なるべく歩く」という意識だけでも変わってきます。私は子供の送迎はなるべく徒歩にしています。天気や時間の余裕によっては難しいので、無理のないように調整していきたいですね。
 
 

ながら運動

よく糖尿病患者さんにもご提案するのですが、歯磨きしながら片足で立っています。簡単そうに思えますが意外とバランスを取るのが難しいので、掴まるところを確保してやってみましょう。慣れてきたら、スクワットもお勧めです。
また、立っている時間が2時間増えるだけでインスリンの働きは3割アップし、消費エネルギーも350kcal増えます。テレビを見る時、本を読む時に短時間でも立ってみるのはいかがでしょうか。
 
 

トランポリンやバランスボール

最近「おうち時間」が多かったため、わが家に健康グッズが増えました。トランポリンやバランスボールは子供と一緒に楽しめます。雨でも食後にすぐ取り組めるので、こういった「グッズ」を用意するのも良いでしょう。
 
 

生活スケジュールを見直す

妊娠糖尿病の時に血糖測定をしていて分かったのは、夕食後の血糖値があまり上がらないことです。夕食後に子供とお風呂に入ったり、食事の片付けや洗濯などの家事でとてもよく動いていたことが理由でした。一般的に夕食後は動かないので特に食事内容に気をつけますが、わざわざ運動をしなくても生活スケジュールを見直すだけでも血糖値の改善は期待できます。

 

定期的なレジスタンス運動

グループトレーニングやヨガ、ピラティスなど自分にあったものを選んで定期的にレッスンを受けています。私の場合、筋トレなどはハードルが高いのですが、やるととても気持ちが良いですし筋力維持・アップも効果を実感しているので続けています。今はオンラインで受けられるので気軽に参加してみてはいかがでしょうか。


 
いかがでしたか。やってみようと思うものはありましたでしょうか。毎食後、毎日、とはいかなくとも、日常に取り入れる工夫と意識が必要です。習慣になるまで3ヶ月。あなたに合った生活スタイルを確立してアクティブな日常を目指してみてください。
 
パーソナル管理栄養士は食事のアドバイスだけでなく、生活全体を見てあなたの目指す姿へとナビゲートいたします。


担当管理栄養士:矢村千紘


参考文献
  • 「糖尿病療養指導ガイドブック」メディカルビュー社出版(2015)
  • 日本医師会ホームページ(2020.6.24閲覧) 
  • 河盛隆造「血糖値を下げる40のルール」Gakken(2019)

矢村千紘執筆コラム
妊娠糖尿病を経験した管理栄養士が伝授!妊娠糖尿病との向き合い方
2020年7月 1日

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