決断できないのは性格のせいじゃない⁈中医学から考えてみよう/相川朋世
もうすぐ春、やってみたいことや取得したい資格、コロナ渦だからこそできるおうち時間の過ごし方など模索している方も多いと思います。春はのびのびとした季節で、植物同様、人もワクワクした気持ちになりやすく、新しいことを始めるのにちょうどいい季節です。しかし「やりたいことはあるのに、やり始めるまでが辛い」という気持ちがあったら「胆気」が不足しているかもしれません。
今回は、中医学の視点から、決断に関わる「胆」について、そしてのびのびと生活する知恵をご紹介します。
「胆」は六腑に属し、肝と表裏関係を結んでいます。胆は現代医学でいう胆のうで、消化器官の一つです。
中医学でも、現代医学と同様に胆汁を貯蔵して飲食物の消化を助ける働きがあります。また、特徴的なもう一つの機能として、“決断を主る”と中医学では考えられています。初めて聞くと驚きますが、「胆がすわる」「胆を冷やす」「落胆する」など、勇気や度胸に関わる表現に、昔からよく“胆”が使われています。
中医学では心と身体は繋がっていると考えられていて、胆に不調が起こると、決断力が鈍る、ドキドキして驚きやすい、些細なことが気になる、多夢、不眠といった症状が出てきます。
胆が弱る原因として考えられるのは、表裏関係を結んでいる肝の不調が強まった時と言えます。肝は気を巡らせる働きがありますが、ストレスや過労といった精神的ストレス、スマホやパソコンの見過ぎによる眼の酷使、悩んで考えすぎること、睡眠不足などの影響を受けやすい臓器です。
肝が耐え切れなくなると、表裏関係を結ぶ胆を弱め、胆に影響が出てしまいます。
<具体例>
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2021年2月17日
今回は、中医学の視点から、決断に関わる「胆」について、そしてのびのびと生活する知恵をご紹介します。
決断力に関わる“胆”の働き
「胆」は六腑に属し、肝と表裏関係を結んでいます。胆は現代医学でいう胆のうで、消化器官の一つです。
中医学でも、現代医学と同様に胆汁を貯蔵して飲食物の消化を助ける働きがあります。また、特徴的なもう一つの機能として、“決断を主る”と中医学では考えられています。初めて聞くと驚きますが、「胆がすわる」「胆を冷やす」「落胆する」など、勇気や度胸に関わる表現に、昔からよく“胆”が使われています。
中医学では心と身体は繋がっていると考えられていて、胆に不調が起こると、決断力が鈍る、ドキドキして驚きやすい、些細なことが気になる、多夢、不眠といった症状が出てきます。
胆に不調を来す原因
胆が弱る原因として考えられるのは、表裏関係を結んでいる肝の不調が強まった時と言えます。肝は気を巡らせる働きがありますが、ストレスや過労といった精神的ストレス、スマホやパソコンの見過ぎによる眼の酷使、悩んで考えすぎること、睡眠不足などの影響を受けやすい臓器です。
肝が耐え切れなくなると、表裏関係を結ぶ胆を弱め、胆に影響が出てしまいます。
決断力を高める食材と暮らし方
●決断力を高める薬膳食材
胆に直接ケアする食材は少なく、肝の働きをよくしたり、安神といって心身の不安を解消する作用のある食材をとることで、のびのびとした心を取り戻します。
<具体例>
酸棗仁、茯苓、麦芽、菊花、金針菜、小松菜、春菊、青梗菜、パクチョイ、ほうれんそう、ハツ、あさり、あわび、あんきも、いか、かじきまぐろ、しじみ、ムール貝、ジャスミン、ハマナス、赤ワイン、ウイキョウの種、蓮の実、竜眼
●決断力を高める暮らし方
肝は植物のように上に向かってグーンと伸びやかにするのを好む臓器なので、まずはストレスをため込まず、発散することを上手になりましょう。また、決断力が鈍ると考えこまなくていいことも決められなくなる時があります。そのようなときは、一緒にいる友人や職場の人などに聞いてもらうのもひとつです。また、このようなケースの場合、頑張り屋の人も多いので、手の抜き加減を知るのも大切。リラックスできる自分時間を作るようにしてください。
胆の不調で決断力が鈍るというのは、性格的な優柔不断というよりは、以前ならこんなに悩まなかったのに、本当にどっちを選んでいいのかわからないような、少し脅迫感のあるような強いものです。
長期間ストレスを感じていたり、他人の目を気にしながら生活しすぎると心身への負担がかかってしまいます。決断力に限らず、「心身一如」といって心と身体は繋がっていて心の不調が身体に不調を起こしたり、その逆を起こすと考えられています。普段からストレスをためず、自分に合った発散方法を見つけておきましょう。
長期間ストレスを感じていたり、他人の目を気にしながら生活しすぎると心身への負担がかかってしまいます。決断力に限らず、「心身一如」といって心と身体は繋がっていて心の不調が身体に不調を起こしたり、その逆を起こすと考えられています。普段からストレスをためず、自分に合った発散方法を見つけておきましょう。
参考文献
- 日本中医食養学会「現代の食卓に生かす「食物性味表」改訂2版」株式会社平河工業社(2009年)
- 平馬直樹「基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書」株式会社ナツメ社
相川朋世執筆コラム
●国際中医薬膳師が教える!産前産後のトラブル改善法➀
●国際中医薬膳師が教える!産前産後のトラブル改善法②
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●異常な汗は不調のサイン?注意すべき汗のかき方と薬膳的改善法