妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!血糖コントロールとお通じ改善のポイント/矢村千紘
こんにちは、妊娠糖尿病を2回経験した矢村千紘です。
以前にもお伝えした通り、将来糖尿病になる確率が約7倍といわれています。「糖尿病を予防する」という長期的な目的以外にも、血糖コントロールに取り組むことで、他の健康につながるとモチベーション維持につながります。
以前にもお伝えした通り、将来糖尿病になる確率が約7倍といわれています。「糖尿病を予防する」という長期的な目的以外にも、血糖コントロールに取り組むことで、他の健康につながるとモチベーション維持につながります。
今回は女性のお悩みとしても多い「お通じ」について血糖管理の共通点からもお伝えします。ポイントは「食事」「運動」、そして「心のゆとり」の3つです。
ポイント1「食事」
●朝食を食べる
血糖コントロールの上で朝食は最も重要な食事と言えます。
朝食を抜くと、空腹時間が長くなり、昼食後や夕食後の血糖値が上昇しやすくなります。これは私が妊娠糖尿病の時に血糖モニタリングしていて実感したことの一つでもあります。
朝食を抜くと、空腹時間が長くなり、昼食後や夕食後の血糖値が上昇しやすくなります。これは私が妊娠糖尿病の時に血糖モニタリングしていて実感したことの一つでもあります。
また、便を直腸まで運ぶために、1日1〜数回、「大蠕動」という強い蠕動が起こります。これは胃に食物が入ってきた刺激などをきっかけに起こることが多く「胃結腸反射」とも呼ばれ、排便につながる大切な現象です。
朝食は抜かずにしっかり食べること、これが血糖コントロールにもお通じ改善にも効果的です。朝食を食べる習慣がない場合には、牛乳などの飲み物をコップに1杯飲む、果物を食べるといった簡単なものから始めてみましょう。
●食物繊維は症状に合わせて
食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類があり、腸内環境を整えること以外にも重要な役割があります。
「不溶性食物繊維」は、未精製の穀類、あずきや大豆といった豆類などに含まれ、水分を吸収して膨らみ便のかさを増やし、腸を刺激して蠕動運動を活発にして排便を促します。
よく噛んで食べることで食事がゆっくりになり血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
「水溶性食物繊維」は、海藻やキノコ類のネバネバ成分、大麦などに含まれ、水に溶けてゼリー状になり、便を柔らかくして出しやすくする作用があります。カチカチの硬い便の場合は有効です。そして、小腸で糖分(グルコース)の吸収を遅らせる働きがあり、血糖の急上昇を抑制します。熟した果物にも多く含まれますが、こちらは血糖値も上げやすくなるので、一度に食べない、昼間の時間帯にするといった工夫が必要です。
便秘と下痢を繰り返すような症状がある場合は、不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維の摂取に努めましょう。
ポイント2「活動・運動」
また運動不足は、便を押し出すのに必要な筋力が低下する原因にもなります。例えば、50代60代と年齢を重ねるごとに、便秘気味になった、排便後のスッキリ感がないなどのお悩みも多く耳にします。これも体全体の筋力や体力の衰えによっておこると考えられます。
腹筋運動は代表的ですが、全身を動かすウォーキングや、階段を使うなど日常の活動を増やすことも効果的です。
腹筋運動は代表的ですが、全身を動かすウォーキングや、階段を使うなど日常の活動を増やすことも効果的です。
腸の動きを高めながら、血糖値の上昇を抑えるため、意識して体を動かす習慣を取り入れましょう。
ポイント3「心のゆとり」
いつもと違うことが重なり緊張やストレスがあると、交感神経が優位となり血糖値も上昇しやすくなります。また、いつもトイレに行っていた時間に行けなくなったり、便意を我慢することが続くとお通じにも影響が出ます。
どちらも朝ゆっくりする時間を持つこと、リラックスやリフレッシュする時間を持つなど、心に余裕を持つことが大切です。
糖尿病患者さんに便秘の症状がある場合、排便の感覚を伝える神経の障害が一つの要因と考えられますが、食事や生活習慣を変えたことで改善したケースも多くあります。
血糖コントロールをしながら、お通じでスッキリと不要なものは出し、アクティブに毎日を過ごしませんか。パーソナル管理栄養士は、一人一人の状態や生活スタイルの変化に合わせて食生活のアドバイスをいたします。
参考文献
- 臨床栄養ディクショナリー、メディカ社(2018)
- NutritionCare「消化・吸収・代謝と栄養素の全てがわかるイラスト図鑑」メディカ社 (2020)
- e-ヘルスネット(2021.4.3閲覧)
- 糖尿病ネットワーク,朝食を抜くと血糖値が上昇しやすくなる朝食はもっとも重要な食事,(2021.3.29閲覧)
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が実践!日常生活のポイント②運動編
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!糖との付き合い方①
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!糖との付き合い方②
●血糖値コントロールでアンチエイジング!おやつ習慣のポイント