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  1. スープで旅するgo to 世界旅行 Vol.2 ~ドイツ編~/木村みえこ

スープで旅するgo to 世界旅行 Vol.2 ~ドイツ編~/木村みえこ

5月も終わろうとしています。今年は梅雨入りが早かったですね。自粛生活が1年を超え、緊急事態宣言が出ている都道府県がありますが、私が住む福岡県も例外ではありません。皆さんがお住まいの地域はいかがでしょうか。

3回のシリーズでお伝えしている国ごとのスープ。3回目の今回は、子どもの頃に絵本を読んでから、ずっと憧れ続けている「おとぎの国ドイツ」のスープを紹介しながら疑似旅行へとお誘いします。少しでも自粛中の気分転換になると嬉しいです。
 
 

シュパーゲルズッペ(白アスパラガスのスープ)

白アスパラガスのスープ.jpg
ドイツでは春の訪れを告げる食材とされている白アスパラガス。「白い金」「食べる象牙」などと言われているほど、みんながこの季節を楽しみにしています。

春になると茹でた白アスパラガスにオランデーズソースをかけて食べたり、スープにして食べるのが定番です。日本では緑色のアスパラガスが主流ですが、ドイツではアスパラガスといえば「白」。色の違いは栽培方法の違いで、白アスパラガスは陽に当たらないように栽培されています。食感もやわらかくて、ジューシーで香りが強いのが特徴です。

ドイツの国内産シュパーゲルは4月から6月までと決められてるのですが、その理由は、また次の年に最高のアスパラガスを収穫するために、畑や根を休ませるということなのだそうです。ドイツの人の並々ならぬ白アスパラガスへの愛が感じられますね。
 
スープの作り方はポタージュスープの要領で簡単にできますので、白アスパラガスを見つけたら作ってみるのもいいですね。緑のアスパラガスでもできますよ。アスパラガスに含まれるアスパラギン酸というアミノ酸はうま味の成分であるとともに、疲労回復にも効果があるといわれています。週末の少し時間がゆっくりしたときに作って1週間の疲れを癒してみてください。
 
 

ツヴィーベルズッペ(ドイツ風オニオンスープ)

オニオンスープ.jpg
日本でもおなじみのオニオングラタンスープのドイツ版です。
 
小さく切った玉ねぎをあめ色に炒めて、コンソメでスープにし、スープカップに入れたらドイツパンとチーズをのせてオーブンで焦げ色がつくまで焼けば完成。ドイツパンがない場合はバゲットや食パンでも代用できます。たまねぎの甘みとチーズのコクが食欲をそそりますね。少し大きめの器で作れば、それだけで立派な食事に変身します。
 
また、たまねぎに含まれるポリフェノール「ケルセチン」はアンチエイジングの効果があるといわれています。おいしく食べて「ケルセチン」の強い抗酸化作用でお肌を夏の紫外線から守りたいですね。

 

アイントプフ(農夫のスープ)

農夫のスープ.jpg
「アイントプフ」とは「鍋の中に投げ込んだ」という語源があるドイツの家庭料理で、日本で言えばみそ汁のような存在です。
じゃが芋やたまねぎ、にんじん、豆、ソーセージなどの具が入っていて、コンソメ味やトマト味など家庭によって味が違うのだそうです。
 
ドイツではレストランではもちろん、ファストフード店や精肉店でも提供されているほどポピュラーなスープで、スーパーマーケットでは缶詰も売られているのだとか。
体調に合わせて季節の野菜を入れたり、鶏肉や豚肉を使うなどアレンジは無限大。簡単に作れるので忙しいときの一品にもおすすめです。

 
いかがでしたか。まるで絵本のようなドイツの街並みを思い浮かべながら食べると、いっそう味わいも深くなりそうです。

 
日本にも「miso soup」というすばらしいスープがあります。定番の具材のほか、アレンジしてもおいしく食べられるのが嬉しいですね。
味噌は発酵食品なので、腸内環境を整えるお手伝いもしてくれます。旬の野菜を使うとさらに体が活性化し、不調改善など体調管理にも効果絶大です。
 
また、今は自粛期間中で気持ちも沈みがちです。好きな食材を使って心の栄養にも役立ててください。


担当管理栄養士:木村みえこ

 
 
参考文献                                       
  • 三城円「食べながらやせるすごい方法」サンマーク出版(2019)
  • 荻野恭子「世界の味をおうちで楽しむ旅するスープ」ナツメ社(2019)
  • 沼野恭子「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会(2018)
  • 佐藤政人「世界のスープ図鑑」誠文堂新光社(2020)
  • 吉川信 佐藤弘 「東洋医学の基本講座」成美堂出版(2016)
  • ながらりょうこ「ヨーロッパたびごはん」イーストプレス(2017)
  • 地球の歩き方編集室「地球の歩き方ドイツ」地球の歩き方(2019)

木村みえこ執筆コラム

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2021年5月26日

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