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  1. 「なんとなく落ち着かない」あなたへ 中医学から学ぶ生きやすさ/相川朋世

「なんとなく落ち着かない」あなたへ 中医学から学ぶ生きやすさ/相川朋世

新型コロナウイルスが流行し、あっという間に一年が経ちました。通勤から在宅ワークに変更、学校の休校やオンライン授業、通院の制限など、様々な生活の変化がありました。もう慣れたという方もいる中で、未だ慣れず、疲れてしまった人もいるでしょう。

今回のコラムでは、中医学の基本となる考え方で、生きやすくなるヒントをお伝えします。

 

目指すのは『中庸』~陰陽学説から学ぶ“私”のバランス~

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陰陽学説とは、古代中学で生まれた自然哲学の一つで「自然界に存在する全てのものは、陰陽に分けることができ、対立した存在だけど、お互いに影響しあっている」という考え方です。上と下、暖かいと冷たい、昼と夜があるように、世の中のものはすべて2つに分けることができ、バランスを取り合っている状態です。

目指すは「中庸=調和がとれている状態」、このバランスが崩れることで、人は不調になるといわれています。

 
●「陽」が過剰な状態とは

「陽」は暖かい、活発なイメージです。
  • 食べ物で例えると…甘いもの、辛いもの、脂っぽいもの、味の濃いものなどの摂りすぎ
  • 生活で例えると…過労、ストレス、遊びすぎなど
 
「陽」と聞くといいイメージを持つかもしれませんが、過剰になれば身体は疲れてしまい、口内炎やちょっとしたことで怒るなど、心も身体も落ち着かなくなってしまいます。このようなときは、バランスの良い食事を心がけ、睡眠や休養をとって、身体に優しい生活を心がけましょう。
 
 
●「陰」が過剰な状態とは
「陰」は冷たい、静かなイメージです。
  • 食べ物で例えると…冷たい、水っぽい、味が薄いものなどの食べすぎ
  • 生活で例えると…運動不足、冷房の効きすぎ、睡眠過多
         
陽も陰も過剰になると、やっぱり不調をきたします。このようなときは、軽い運動や身体を温めるなど、少し活発な生活で代謝をよくするといいでしょう。

 

薬膳の基本原則『補・瀉・調』~足りなければプラス、余分なことはマイナスする~

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薬膳の基本に「補・瀉・調」という考え方があります。これは、足りなければ補い、不要なものは取り除き、バランスが崩れていれば調和しようという考え方です。
このようにして、陰陽のバランスを整えます。
 
 
●疲れた、気力が出ない…不足していれば補えばいい
これは頑張りすぎてエネルギーが不足した身体からのサインで、とにかくエネルギーを補うことが大切です。
 
食事では穀類、豆類、芋類、肉類、魚類を使って、胃腸に優しい食事を心がけましょう。疲れた時は“スタミナ焼肉定食”と意気込むと、逆に胃腸に負担がかかってしまうのでオススメできません。白米と具だくさんのお味噌汁、それで充分です。

 
●スケジュールが過密…不要な物事は断捨離しよう
仕事、習い事、人間関係、家事、人は様々なものを抱えて生きています。ついついタスクをこなすことに必死になりがちですが、スケジュールが過密すぎると、心と身体のバランスを崩します。

本当にそれは必要かなど優先順位を考えて、ゆっくり食事ととる、何もしないでボーっとする、家族とおしゃべりをする、そんな何気ない時間を作るほか、思い切って休んだり、人に任せたりすることも時には必要です。頑張りすぎているときは休む意識を持ち、不要なものを取り除くことで、本当に大切な時間を楽しめるようになるかもしれません。


 
今回は食事だけでなく、生活についても薬膳のベースである中医学の視点で書いてみました。補う、取り除く、バランスを整えるということを言うのは簡単ですが、実際やってみると難しいかもしれません。ひとりで過ごす時間を求められる今だからこそ、食事や生活を今一度見つめなおすことによって、より豊かな人生を送れるかもしれませんよ。


担当管理栄養士:相川朋世


 
 
参考文献
  • 伊藤隆「ココロとカラダの不調を改善するやさしい東洋医学」(2016)株式会社ナツメ社


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2021年5月19日

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