親子で考えよう!ジュニアアスリートの身体を大きくするための食事/柏成実
こんにちは。オリンピックも終わり、次世代であるジュニアアスリートのスポーツの影響力は大きかったように思えます。
2021年10月27日
そんな成長期であるジュニアアスリート(小中高生)や保護者の方から、『身体を大きくしたい』、『周りより身体が大きくならずに悩んでいる』と相談を受けることが多々あります。
そこで今回は、身体を大きくするための基本をお伝えしていきます。
食事の基本を身につける
ただ食べているから良いとするのではなく、食事の内容に着目していきましょう。
今回は一食で揃えて頂きたい食事の基本と身体に対する働きをご紹介します。
- 主食・・・エネルギーを作る
- 主菜・・・身体を作る
- 副菜・・・身体の調子を整える
- 牛乳・乳製品・・・身体を作る
- 果物・・・身体の調子を整える、エネルギーを作る
上記を意識し食事内容の基本を身につけて身体作りを行って頂きたいです。
現在朝食が菓子パンと牛乳の食卓であれば、食パンにハムとチーズを乗せてミニトマトを加えてみてはいかがでしょうか。
出来るところから始めて習慣にしていくことをおすすめします。
身体づくりと食べるタイミング
補食を摂取するタイミングや内容でも身体の筋肉の付き方が変わるといっても過言ではありません。
ポイントは「練習前」と「練習後」です。
練習前の補食ポイント
糖質中心に摂取すること。
エネルギーが無い状態では練習中良いパフォーマンスが出来なくなります。そのため先に糖質を入れてエネルギー満点にして、後半までばてないようにしっかり補給しておきましょう。
練習後の補食ポイント
糖質とたんぱく質を早めに摂取すること。
エネルギーが切れている状態です。早く疲労回復すること、そして筋肉合成のためにも合わせてたんぱく質を補給しましょう。
たんぱく質のみ補給しても、エネルギーが切れている状態では筋肉合成は効果半減なってしまいます。素早く摂れる一品として、コンビニなどでも手に入る肉まんなどもおすすめです。
練習前後の補食内容は身体を作る上でキーポイントとなります。お子さんとともに今一度補食内容とタイミングを振り返ってみましょう。
疲労回復のための睡眠時間の確保
睡眠中には成長ホルモンが多く分泌します。これは筋肉合成や骨の成長を促す働きがあり、身体作りには無くてはならないホルモンです。
睡眠時間の理想は8時間程度といわれています。また成長ホルモンの分泌が多いとされる22時~深夜2時は、布団に入っていたい時間帯です。練習が夜遅くまである選手も就寝時間を見直し、早めに布団に入れるように意識することも1つです。
基本の食事を摂っていても、受け皿である身体が疲労蓄積していたり、睡眠不足からくる体調不良を起こしていれば、栄養の吸収率も下がってしまいます。
食事だけでなく生活リズムにも着目することが身体作りの一歩となります。意識して取り組みましょう。
以上ポイントをお伝えさせて頂きました。親子で振り返るきっかけになれば嬉しいです。成長のチャンスを逃さず、満足いく結果を残すため今出来ることを実践してみてください。
個人、チームの目標に合わせた詳しい食事内容などの提案等の食事サポートは、気軽に当協会の管理栄養士へご相談ください。
担当管理栄養士:柏成実
担当管理栄養士:柏成実
参考文献
- 鈴木志保子 「スポーツ栄養学」ベースボールマガジン社(2020年)
- 田口素子、辰田和佳子、長坂聡子 「戦う身体をつくる アスリートの食事と栄養」ナツメ社(2017年)
- 高田和子、海老久美子、木村典久「エッセンシャル スポーツ栄養学」市村出版(2021年)
- 寺田新「スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる」東京大学出版会(2020年)
- 樋口 満・こだてはるみ・ 木村典代・青野博 他 「小中学生のスポーツ栄養ガイド」 女子栄養大学出版部(2019年)
- 鈴木志保子 「理論と実践 スポーツ栄養学」 日本文芸社(2017年)