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  1. 「種苗法」って知っている?/香取美江

「種苗法」って知っている?/香取美江

今回は、近年、農業関係者の間では大きく話題になっている「種苗法」についてお伝えいたします。

2020年11月に種苗法改正案の審議が国会で始まり、2021年4月に施行されました。改正により農業者にとって不利になるのではないか、という反対意見もありメディアにも取り上げられていたのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

 

種苗法とはどのような法律なのでしょうか

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種苗法とは?
種苗法とは、植物の新品種を知的財産として保護する法律のことです。
種苗法に基づく品種保護制度は、開発者に対し穀物は25年間、果樹は30年間、種子や苗を独占的に販売できる権利を認められています。
 

 
改正の対象になる「登録品種」、対象にならない「一般品種」の違いは?
種苗法の対象になる作物は「登録品種」のみであり、「一般品種」は対象となりません
 
「一般品種」とは、在来種、品種登録されたことがない品種、品種登録期間が切れた品種のことをいい、全体の約9割を占めています。
全体の「一般品種」の割合は高いですが、作物によっては「登録品種」が多い作物もあります。例えばサトウキビや果樹は「登録品種」が多い作物とされ、改正の影響を大きく受けるのではないかと考えられます。

 
 

種苗法の改正で何がどう変わったのか?

20211124JPDA②.jpg
種苗法が改正された背景
日本で開発されたブドウやイチゴなどの優良品種が海外に流出し、第三国に輸出・産地化される事例があります。代表的なものでは、2006年に品種登録されたシャインマスカットが海外で栽培され、安価で東南アジアへ輸出されたことで日本からの輸出の妨げになりました。また、農業者が増殖したサクランボ品種が無断でオーストラリアの農家に譲渡され、産地化された事例もあります。

このようなことにより、国内で品種開発が滞ることが懸念され、新品種を保護することが目的で改正が行われました。

 
改正前と改正後の変更点
改正前は、登録品種の開発者である権利者の効力は譲渡された種苗の利用にまでは及びませんでした。改正後では、開発者が当該品種の種苗が海外に流出することを制限できる制度や国内の栽培地域の制限をすることができる制度を創設しました

また、農業者が自家増殖し次の作付けに使用する場合、改正前は自由に行うことができましたが、改正後は登録品種の増殖実態を把握するため権利者の許諾が必要になりました

 
反対意見が多い理由は?
農業者の中には、栽培した作物から採った種や作物を種にして、栽培している方々がいます。
改正では、自家増殖は禁止されてはいませんが、開発者の許諾を受ける必要があり、それに伴う申請の手間や承諾料が発生し、経営を圧迫するのではないかという不安があります。また、「一般品種」の扱いである在来種は、自家増殖を繰り返す過程で変異し、「登録品種」の作物と特性が類似し「登録品種」と同等と判断されてしまうことも懸念されています。

種苗を扱う大手企業が種子市場を独占してしまうのではないか、といったことも反対意見として見受けられました。

 

改正による今後の期待

開発者の意図しない海外流出や他地域での栽培を抑制することで、地域ブランド化や優良な品種の持続的な育成を行うことができ、農業者にとっては戦略的な品種選定や販売が可能になると考えられます。私たち消費者にとっても、地域の土壌にあったブランド作物で本来の食味を味わうことができるメリットがあります。
 
 
普段何気なく食べている野菜や果物、コラムをきっかけに農業についても興味をもってもらえたら幸いです。


担当管理栄養士:香取美江



参考文献                                       

 

香取美江執筆コラム


 
 
2021年11月24日

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