みんなが知りたいグルテンフリーと米粉パンの真実/小川亜希子
こんにちは。パン好き管理栄養士の小川亜希子です。
グルテンフリーという言葉を目にされる方も多いと思います。今回はグルテンフリー、米粉パンとダイエットの関係についてお伝えします。
2021年12月 8日
グルテンフリーという言葉を目にされる方も多いと思います。今回はグルテンフリー、米粉パンとダイエットの関係についてお伝えします。
グルテンフリーが必要なのはこんな人
グルテンとは、小麦・大麦・ライ麦などに含まれるたんぱく質のグルテニンとグリアジンが結びついてできる網目構造をもつ成分のことをいいます。
グルテニンとグリアジンに水を加えて捏ねて混ぜ合わせることで、粘着性と弾力性が生まれます。このグルテンの網目構造が、パンの過程によって発生した炭酸ガスを包み込むことで、大きくふくらんだやわらかいパンを焼くことができます。
グルテンフリーとは、このグルテンを含む小麦のアレルギーやグルテンが引き金になって起こる病気のセリアック病の改善のために、グルテンの入ったものを食べないという食事療法のことです。
近年スポーツ選手が取り入れ、パフォーマンスが上がったことで話題となりました。
近年スポーツ選手が取り入れ、パフォーマンスが上がったことで話題となりました。
米粉パン=グルテンフリーではありません
最近は米粉パンをパン屋やスーパーのパン売り場で見かけるようになりました。もともと日本の米の需要率アップを図るためにというきっかけで、米粉パンが開発されました。
米粉パンに使用する米粉は和菓子用よりも粒子が細かく、ほとんどがうるち米から作られています。米粉パンの食感は、もっちり、しっとりしています。
米粉パンに使用する米粉は和菓子用よりも粒子が細かく、ほとんどがうるち米から作られています。米粉パンの食感は、もっちり、しっとりしています。
パンは小麦粉のグルテンによって膨らみます。
米粉のみを使ってパンを作る場合、発酵で発生する炭酸ガスを受け止めるグルテンの膜ができず、仕上がりにボリュームが得られません。そのため米粉100%のパンを作るには、グルテンや植物性タンパク質などを添加したパン用米粉を用いた米粉パンが主流になっています。また強力粉に米粉を加えて米粉入りパンとして売られている商品もあります。
米粉のみを使ってパンを作る場合、発酵で発生する炭酸ガスを受け止めるグルテンの膜ができず、仕上がりにボリュームが得られません。そのため米粉100%のパンを作るには、グルテンや植物性タンパク質などを添加したパン用米粉を用いた米粉パンが主流になっています。また強力粉に米粉を加えて米粉入りパンとして売られている商品もあります。
このように米粉パンとして売られている製品でも、小麦グルテンが含まれているものが多いのが現状です。米粉パン=グルテンフリーではないので注意ください。
グルテンフリーのパンを探すときは表示を見てから買うようにしましょう。
グルテンフリーとダイエットの関連について
小麦粉で作られる一般的な食パンと米粉パンを100gあたりの栄養成分で比較しました。
主原料は同じ炭水化物(糖質)であるため、エネルギーとしてはわずかな差でほぼ変わりません。
「グルテンフリーダイエット」という言葉がクローズアップされていますが、文頭に述べたように、グルテンフリーは痩身効果を期待するためにできた食事法ではありません。
「グルテンフリーダイエット」という言葉がクローズアップされていますが、文頭に述べたように、グルテンフリーは痩身効果を期待するためにできた食事法ではありません。
日本の米の自給率アップに農林水産省も米粉の普及を目指しています。
ダイエットのためという考えではなく、普段のパンのバリエーションの1つとして米粉の入ったパンを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
担当管理栄養士:小川亜希子
ダイエットのためという考えではなく、普段のパンのバリエーションの1つとして米粉の入ったパンを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
担当管理栄養士:小川亜希子
参考文献
- 小田良次「オールガイド食品成分表2021」実教出版編修部(2021)
- 伊藤ミホ「グルテンフリーレシピ」清流出版(2016)
小川亜希子先生執筆コラム
- パン好き管理栄養士がおススメする!ダイエット中のパンの選び方
- パン好き管理栄養士がおススメする!ダイエット中に楽しめるパン屋
- パン好き管理栄養士がおススメする!ダイエット中のパンの食べ方
- パン好き管理栄養士が伝授する菓子パンと上手に付き合う方法