食から考えるSDGs〜エシカル消費〜/矢村千紘
こんにちは。エシカルライフを楽しむ管理栄養士の矢村千紘です。
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●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!糖との付き合い方②
●血糖値コントロールでアンチエイジング!おやつ習慣のポイント
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2022年1月19日
前回、前々回のコラムでは、食品ロスの削減や、使い捨てを減らすことについて考えてきました。つかう側の責任を問うという意味で、持続可能な消費形態と同じ意味を含み、一緒になって使われることが多いのが「エシカル消費」です。
今回は、SDGsの様々な目標にも関連してくる「エシカル消費」について、日々の買い物で意識できることをお伝えします。
今回は、SDGsの様々な目標にも関連してくる「エシカル消費」について、日々の買い物で意識できることをお伝えします。
「エシカル消費」とは?
私たちは日頃、何気なく商品を買っていますが、世界中の商品を購入できるようになった現代では、私たちの手元に届くまでの生産過程や、その後の廃棄過程の一連の流れが見えにくくなっています。SDGs目標12のロゴに「つくる責任、つかう責任」とあるように、「つかう責任」つまり社会や環境の負担軽減を意識した持続可能な消費、エシカル消費が求められています。
考え方のポイントは3つあります。
一つ目に、生産や販売される過程だけではなく、消費や廃棄処分に至るまで、製品やサービスが地球環境や人、地域社会に与える影響に目を向けることです。
二つ目に、その上で負の影響が少なく、正の影響を強くもたらす製品やサービスを積極的に選ぶこと。
そして三つ目は、購入したものを無駄なく消費し、適切に廃棄することです。
では、個人の消費活動ではどんなことができるのでしょうか。
人や地域社会に配慮した商品・サービスを購入する
●地産地消、和食で貢献!
例えば、日本の食料自給率は約40%ですが、和の朝食で使う材料(例えばご飯、豆腐とわかめの味噌汁、納豆、さけ、ほうれん草のおひたし)と、洋の朝食で使う材料(食パン、サラダ、オムレツ、ヨーグルト、オレンジジュース)の食料自給率はそれぞれ約68%、17%となり、和食を選ぶ方が日本の食材を活用できる可能性が高くなります。
このように自分の国や地域で作られたものを使う、地産地消に再度目を向けることが大切です。輸送にかかるエネルギー削減や、地域の生産者さんの応援、経済の活性化につながるだけでなく、新鮮な食材は栄養価の損失も少なく、健康を維持する上でもメリットがあります。
野菜の直売センターなどでは生産者さんの顔が見えたり、会話を楽しめたりといったコミュニケーションも楽しみの一つになりますね。
野菜の直売センターなどでは生産者さんの顔が見えたり、会話を楽しめたりといったコミュニケーションも楽しみの一つになりますね。
●認証マークを探してみる
国際フェアトレード認証ラベルはご存知でしょうか。世界的に最も認知されている倫理的ラベルの一つです。生産者の生活を守り、自然保護にも配慮して生産された商品に付けられます。
日本のフェアトレードの市場規模(2014年)は1%強に過ぎず、先進国の中で非常に低い水準にあり、認知度も22%とまだまだ低いのが現状です。しかし、近くのスーパーでもこの認証マークの製品に出会うことができます。コーヒーや紅茶、チョコレート製品などに付けられていますので、お買い物の際にぜひ探してみてください。
日本のフェアトレードの市場規模(2014年)は1%強に過ぎず、先進国の中で非常に低い水準にあり、認知度も22%とまだまだ低いのが現状です。しかし、近くのスーパーでもこの認証マークの製品に出会うことができます。コーヒーや紅茶、チョコレート製品などに付けられていますので、お買い物の際にぜひ探してみてください。
他にも、人や環境に配慮された製品に付けられるマークはありますが、こういったマークがついていなくても配慮されている商品はたくさんあります。
「この商品はどんな風に作られているのかな?」と考えてみる習慣から始めてみてはいかがでしょう。
「この商品はどんな風に作られているのかな?」と考えてみる習慣から始めてみてはいかがでしょう。
消費者庁が2017年にエシカル消費についてレポートを出していますので、ぜひそちらもご参照ください。
エシカル消費は、目標12の「つくる責任、つかう責任」だけでなく、目標8「働きがいも経済成長も」、目標13「気候変動に具体的な対策を」などにも繋がってきます。
日々の何気ない買い物の時に、その商品の先のことを考えるという小さなアクションが、社会的問題の解決につながっていきます。これは日本人が昔から培ってきた「思いやり」「おかげさま」「もったいない」「おもてなし」という考え方に通ずるものがありますね。
あなたの大切にしたい考え方や、優先したい価値観を明確にすると、商品・サービス選びで迷うことも減ってきます。食にまつわる価値観について今一度、考える時間を持ってみるのはいかがでしょう。
あなたの大切にしたい考え方や、優先したい価値観を明確にすると、商品・サービス選びで迷うことも減ってきます。食にまつわる価値観について今一度、考える時間を持ってみるのはいかがでしょう。
参考文献
- 村上芽・渡辺珠子「SDGs入門」日本経済新聞出版社(2019.6)
- サステナブルで健康な食生活に関する日本栄養士会の取組と今後の推進,公益社団法人日本栄養士会, (2022.1.7閲覧)
- 【SDGsライフのヒント】エシカル消費,環境省ecojin, (2022.1.11閲覧)
- 「倫理的消費」調査研究会取りまとめ~あなたの消費が世界の未来を変える~,消費者庁HP,(2022.1.11閲覧)
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