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  1. エビデンスがあれば信頼できる?健康情報を正しく理解するための基礎知識/河村桃子

エビデンスがあれば信頼できる?健康情報を正しく理解するための基礎知識/河村桃子

前回は「健康情報を見る際に起こる心理現象」についてお伝えしました。そのひとつであるハロー効果は、あるものが持つ強い特徴により評価が歪められるということでした。
 
新型コロナウィルスが流行してからメディアを通して「エビデンス」という言葉をよく耳にするようになりました。エビデンスと聞くと信頼性が高く感じますが、本当にエビデンスがあるだけで信頼できる情報と言えるのでしょうか?

ハロー効果にあるように「エビデンス」という言葉だけで評価が歪んでしまわないために、まずはエビデンスを正しく理解することが大切です。

 

エビデンスは研究から得られた結果

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エビデンス(evidence)とは証拠、根拠を意味する英単語が由来です。医療分野以外にも様々な業界のビジネスシーンで使われている言葉ですが、医学や保健医療の分野では研究結果から得られた科学的根拠を意味します。
 
かつての医療においては、権威者の経験や意見をもとに治療を行っていましたが、現代医学ではEBM(Evidenced Based Medicine:エビデンスに基づいた医療)を元に治療を行っています。また、栄養学の分野でもEBN(Evidenced Based Nutrition:根拠に基づく栄養学)が重視されています。

 

「エビデンスあり = 信頼性できる」とは言い切れない

エビデンスがあるからといって、その情報が一律に信頼できるとは限りません。それがどの程度信頼できるのか見極める際に重要なのがエビデンスレベルです。エビデンスは実験や研究から導き出されるものであるため、専門家の意見や動物実験、試験管研究ではエビデンスレベルは低く、下記の表の順に信頼度は高くなります。
 
20220209コラム画像②.png
ひとつひとつ簡単に説明します。
 
●記述的研究(症例報告)
「〇〇の症状の人に××を使用したら良くなった」といったデータを記述したもの。学会で発表し専門家同士で議論することが目的で、これが後の研究の基礎となります。
 
 
●症例対象研究、コホート研究
症例対象研究は、過去にさかのぼって病気の要因などを研究する方法です。例えば、肺がんを患っている人とそうでない人の過去の喫煙歴を比較し、喫煙が肺がんの要因になるかを分析します。
 
コホート研究は、集団を長期間追跡し、ある要因の有無が病気の発症に関係するがどうかの確率を調査する方法です。例えば、喫煙の有無によって2グループに分け、その後両者の肺がんになる確率を比較します。
 
 
●非ランダム化比較試験
治療やケアを行ったものとそうでないものとので効果を比較する方法で、グループ分けは研究者が行います。例えば、膝の痛みに効くとされるAを投与するグループと、ニセの成分を投与するグループに分け、Aが痛み軽減に効果があるかを確かめます。
 
 
●ランダム化比較試験
非ランダム化比較試験はグループ分けを研究者が行なうのに対して、ランダム化比較試験では研究者の主観が入らないようにグループ分けを無作為に行う方法です。そのため、非ランダム化比較試験よりも信頼度は高くなります。

 
●メタアナリシス
複数の同じテーマの研究のなかでも信頼度の高い研究だけを集めて結論を出していく方法です。「高血圧治療のガイドライン」といったような専門分野のガイドラインは、メタアナリシスを経て作成されています。


 

エビデンスは絶対的なものではない

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エビデンスのもとになる研究は日々行われ、「医師でも最新知識を保つのには1日に19本の論文を読む必要がある」と言われています。時には今まで良いとされていたこととは正反対のエビデンスが生まれることもあり、今目の前にあるエビデンスが絶対的であるとは言い切れないのです。また、人間の体には個体差があるため、どんな研究方法であってもエビデンスが全ての人に当てはまるとは限りません
 
エビデンスという言葉だけで情報が正しいと早急に判断せず、そのエビデンスがどの程度信用できるのかを見極め、情報に振り回されないことが大切ですね。


担当管理栄養士:河村桃子


 
参考文献

河村桃子執筆コラム

2022年2月 9日

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