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「何となく不調」それ更年期障害かも?!／西俣成香

40歳代半ばから50歳代半ばの女性で急にやる気が起こらなかったり、ちょっとしたことで不安になったり、生活習慣は変えていないのに体重、腹囲が増えていませんか？それ、もしかしたら更年期障害かもしれません。

今回は、女性の更年期障害について詳しくご紹介します。

なぜ起こる？！更年期の「なんとなく不調」

●更年期とは

年齢とともに思春期、性成熟期、更年期、老年期と4つのライフステージに分けることができます。女性の場合、閉経の時期を挟んだ前後5年（合計約10年間）のことを“更年期”と呼びます。個人によってバラつきはありますが、日本の女性における閉経期の平均は50.5歳で、40歳代半ばから50歳代半ばに差し掛かる人が多いです。

思春期や性成熟期と同様に更年期も誰もが経験するライフステージのひとつです。しかし、個々によって症状がさまざまなため、自分が更年期のステージに入ったのか自覚しづらく、不調への対応に間に合わず、「なんとなく不調」で生活に支障をきたしてしまいます。更年期へと向かうサインとしては、月経周期が24日以下になることや反対に日数が長くなること、経血の量が多くなったり少なくなったりします。

●女性ホルモンの乱れ

女性ホルモンとはエストロゲンとプロゲステロンがあります。妊娠の維持を行うことに加え、美と若さを保つこと、骨を丈夫に保つこと、血管をしなやかに保つ働きがあります。

女性ホルモンの分泌量は一生分を合わせてもティースプーン1杯程度といわれています。そして更年期の約10年の間に女性ホルモンの分泌量はジェットコースターのように急降下をします。

更年期によってもたらされる不調と病気のリスク

●更年期に起こる代表的な不調

更年期での不調は、おもに「身体」と「心」に分けられます。

身体の不調としては自律神経の乱れが原因で起こるホットフラッシュ、卵巣の機能低下と女性ホルモンの分泌の減少で代謝機能が衰え疲労物質が体内から排出できない、身体のだるさや肩こりなどがあります。

心の不調としてはイライラ、唐突な不安感、気分のムラが見られます。これは女性ホルモンの減少により脳内神経物質のセロトニン（別名：幸せホルモン）などの代謝が悪くなるため起こります。また、女性ホルモンの減少は自律神経が乱れるため、寝つきが悪かったり、朝の目覚めが早くなることがあります。

女性ホルモンが急激に減少することに対して敏感に反応してしまう個々の体質や気質の違い、考え方やライフスタイルの違いによって更年期の不調には個人差があります。

●更年期の女性はLDLコレステロールが高くなりやすい

女性ホルモンであるエストロゲンにはLDLコレステロールの増加をおさえる働きがあります。

更年期になると女性ホルモンが急激に減るため、LDLコレステロール値が高くなりやすいです。LDLコレステロールが高くなると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まります。そのため更年期になる前から食習慣、運動習慣、生活習慣を見直しておくことが大切になります。

更年期って悲しいこと？とらえ方で前向きに

更年期によってこれまでできていたことが急にできなくなったり、気持ちの落ち込みがあったりと悲観的に捉えがちです。更年期は英語でmenopauseと書きます。欧米諸国では更年期をおめでたいものと捉え「Happy Menopause」と言うこともあるのをご存知でしょうか？
更年期になったメリットとして生理痛がなくなったり、月経を気にせず旅行の計画が立てることができたりと月経の煩わしさからの解放があります。

更年期について上手に付き合っていくための一助となりましたら幸いです。次回のコラムでは、更年期の生活習慣について解説をする予定です。

担当管理栄養士：西俣成香

参考文献