妊娠糖尿病だったやせている女性にお勧めしたい!血糖管理も叶う間食のポイント/矢村千紘
こんにちは。妊娠糖尿病を2回経験した管理栄養士の矢村千紘です。
●やせている女性も血糖値が高い!?糖尿病になりやすい人の傾向と対策
2024年7月 3日
しっかり食べることが必要と分かっていても、血糖値の上昇に不安を感じる、一度にたくさん食べられない、など食事量を増やすことはやせている人にとって難しい場合もあります。そんな人に今回は「間食」の活用についてお伝えします。
少食のデメリット
食事の量が少なければエネルギー源である糖質、たんぱく質、脂質が十分に得られません。そのため体重を維持または増やす材料が不足し、活動量の低下も引き起こします。
また、必然的にビタミン・ミネラルなど体の調子を整えてくれる栄養素や、食物繊維、機能性成分も少なくなるため、疲れやすさや便秘などの症状も加速させます。
これらの理由から、「しっかり必要分を食べること」が大切なのです。
しかし少食の人は消化吸収する力がそもそも低下していて、急に1回の食事量を増やしてしまうと逆に負担となる可能性もあります。また、食後の血糖値が高いと指摘された経験がある場合、血糖値が上がりすぎることを心配して量を増やせない人もいます。
そんな人へ、「間食」を上手に取り入れることをお勧めします。
間食とは、仕事の気分転換や生活にうるおいを与えるお菓子やスイーツをイメージされるかもしれません。しかし、本来は食事(朝食・昼食・夕食)だけでは摂取できない栄養素を補う食べ物・飲み物のことを指します。
妊娠糖尿病の経験がある人は、同じような形で「分食」という食事療法に取り組んだ人も多いのではないでしょうか。血糖管理をする方法の一つとしても間食は活用できます。
間食のポイントは「時間」「質」「量」
①いつ食べるか(時間・タイミング)
食事の3時間後程度が目安です。例えば朝食が7時、昼食が13時、夕食が19時の場合は10時頃や16時頃に間食をとります。
夕食後、特に21時以降の食事は夜中の血糖値に影響を与えるだけでなく、コレステロールや中性脂肪が増え、生活習慣病のリスクを高めますので気をつけていきましょう。
子供の送迎や犬の散歩など、活動量が増える前のタイミングで間食を取り入れるのも一つの手です。エネルギー切れを予防しながら、間食による血糖値の影響を和らげる効果も期待できます。
②何を食べるか(質・内容)
エネルギーの補給とともに、ビタミン、ミネラルも意識します。食事として一度に食べられなかった果物や乳製品がお勧めです。他には、饅頭やクッキーといった菓子類よりも、おにぎりや、蒸したさつま芋やとうもろこしなどを選ぶと、不足しがちな栄養素も補えます。
③どのくらい食べるか(量)
目安としては160kcal〜200kcalが良いでしょう。小さめのおにぎり1個、チーズ2切れ、バナナ1本などです。ポイントは、次の食事までにお腹がちゃんと空くくらいの量にすることです。間食をしたがために食事が十分に取れなくなっては本末転倒です。
私の場合は夕方の時間、子供がちょうどおやつを食べるタイミングで一緒に楽しんでいます。1日の食事内容を振り返りながら、足りない栄養素を含む食材を取り入れるのが理想ではありますが、難しく考えずにちょっとした変更からやってみましょう。
菓子パンを食パンに、ケーキを果物やヨーグルトに変えると糖質量をグッと減らせます。饅頭を固いお煎餅に変えると、咀嚼量が増えて間食の食べ過ぎも防ぐことができます。
健康的な間食を取り入れると、一緒に食卓を囲む子供へも良い影響をもたらします。もちろん菓子類になることもあるのですが、その時は思い切り楽しんだり、量を調整したり、気持ちとのバランスも大切にしています。
参考文献
- おいしく・健康になる「間食」ライフ,糖尿病ネットワーク, (2024.6.19閲覧)
- 間食は糖尿病の人に悪い?「質の良い間食」は血糖値を改善何を食べるか選ぶことが大切,糖尿病ネットワーク, (2024.6.19閲覧)
- 間食のエネルギー(カロリー),e-ヘルスネット,(2024.6.20閲覧)
- 1週間食べるダイエットプログラムアフターセミナーテキスト,一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会
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