「食べる瞑想」で実践!ストレスを和らげるマインドフルネス/成松由佳
ストレスは現代社会を生きる私たちにとって避けられないものです。そして、ストレスを感じたことで食べすぎてしまう経験も、多くの人に心当たりがあるのではないでしょうか。
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2024年7月24日
ストレスを軽減する効果的な方法のひとつに「マインドフルネス」があります。今回はマインドフルネスのトレーニングをしながら、食べすぎも防げる「食べる瞑想」についてご紹介します。
最近話題の「マインドフルネス」
マインドフルネスでは現在の感覚や感情、思考に注意を向けますが、それらを良いか悪いか、有益かどうかなどと判断しません。今の自分をそのまま見つめ、味わい、受け入れることで、これまでの役に立たない習慣や執着を手放すことにつながります。日々の生活にマインドフルネスを取り入れると、さまざまな出来事や感情に振り回されにくくなります。日本では最近注目されるようになりましたが、欧米ではストレス対処やうつ病などの治療に以前から取り入れられている方法です。
マインドフルネスの基本「呼吸瞑想」
鼻から空気が入ってくる感覚、鼻の奥がツンとする感覚、お腹が膨らんだり縮んだりする感覚、肺に溜まった空気を押し出す感覚などに注目します。呼吸の速度や深さが変わっても、コントロールせずにそのまま受け止めます。特に何かを考えたり、言語化したりする必要はなく、ただ感じているだけでかまいません。
途中で意識が呼吸から逸れることもありますが、これは自然なことです。何度逸れても問題ありません。そのたびに思考に気づき、そっと呼吸に意識を戻します。
食べる瞑想
●レーズン・エクササイズ
マインドフルネスの方法の一つに「レーズン・エクササイズ」があります。一粒のレーズンをあたかも初めて出会ったかのように、五感を使ってじっくり観察します。手に取った感覚、見た目や匂い、口に入れた時の感覚と味わい、噛みごたえ、飲み込んだ感覚とその余韻を、10分ほどかけてゆっくりと味わいます。
●日常の食事で実践しよう
瞑想のためにレーズンを用意しなくても、毎日の食事の中でトレーニングを実践することもできます。
1食すべてをマインドフルに食べようとすると時間がかかるので、一部分だけでもかまいません。おやつのチョコレートやクッキー、せんべいなどをマインドフルに味わうのも良いでしょう。
1食すべてをマインドフルに食べようとすると時間がかかるので、一部分だけでもかまいません。おやつのチョコレートやクッキー、せんべいなどをマインドフルに味わうのも良いでしょう。
方法はレーズン・エクササイズと同じです。すぐに口の中に入れずに、まずはよく見て、しっかり匂いをかいでから、ゆっくり口に入れます。その食感を口の中で感じてから、ゆっくり噛んで味や香りを堪能します。その後、喉越しを味わいながら飲み込み、余韻を感じます。
「食事を大切にしている」という豊かな感覚を味わいながら、ゆっくり落ち着いて食べることができ、ドカ食いをしなくても満足感が得られるでしょう。
日々の生活に「マインドフルネス」を取り入れることで、心身ともに健康な日々を送ることができます。ストレス軽減と食べすぎ防止を同時に叶える「食べる瞑想」を、ぜひ試してみてください。
執筆・監修 協会認定パーソナル管理栄養士:成松由香
執筆・監修 協会認定パーソナル管理栄養士:成松由香
参考文献
- 倉光修(編著)「臨床心理学概論」放送大学教育振興会(2020)
- 有光興記「自分を思いやる練習」朝日新聞出版(2020)
- 伊藤絵美「コーピングのやさしい教科書」金剛出版(2021)
- 伊藤絵美「カウンセラーはこんなセルフケアをやってきた」晶文社(2023)
成松由佳執筆コラム
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